Googleは次世代「Assistant」を公開、AIがスマホで稼働し言葉でアプリをサクサク使える

Googleは2019年5月、開発者会議「Google I/O 2019」を開催し、最新の製品や技術を披露した(下の写真、Sundar Pichaiの基調講演)。今年のテーマは「Help」で、人々を助け社会の役に立つAIに重点が置かれた。怖いほど先進的なAIの発表はなく、生活を便利にするAI技術が数多く登場した。この模様はYouTubeでリアルタイムで放送された

出典: Google  

発表概要:新製品

ハードウェアではミッドレンジのスマホ「Pixel 3a」と「Pixel 3a XL」が発表された(下の写真、左側)。また、スマートホームハブの最上位機種「Nest Hub Max」が登場(下の写真、右側)。従来のハブ「Google Hub」は「Nest Hub」と改名され、スマートホーム商品として位置付けられた。ソフトウェアでは基本ソフト最新モデル「Android Q」が公開された。Qはセキュリティやプライバシー保護に重点を置くデザインとなっている。

発表概要:AI関連技術

AI関連では「Google Assistant」の機能を大幅に強化した次世代AIアシスタント「Google Assistant Next Generation」が発表された。AIを軽量化しスマホで稼働させることで、高速処理を実現。また、GoogleはAIのバイアス(偏った判定)を検知する技術「TCAV」を公開した。更に、AIを人類のために活用するプロジェクト「AI for Social Good」を紹介し、GoogleのAI開発のスタンスを明らかにした。

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次世代Google Assistant

多くの新技術が登場したが、Googleは次世代Assistantに多くの時間を割いて、その機能を紹介した。現在、AssistantのAI (Recurrent Neural Networks、言葉を理解するAI)はクラウドで稼働しており、そのサイズは100GBを超える。スマホでAssistantを起動するとそのタスクはクラウドで実行され、結果がスマホに返される。次世代AssistantではAIサイズが0.5GBに軽量化され、これがスマホで実行される。このため、処理時間が大幅に短くなり、最大10倍の高速化を実現した。

アプリを言葉で高速実行

これにより言葉でアプリを連続してリアルタイムで操作できる(下の写真)。テキストメッセージを送信するときは、「Reply Justin, Had a great time with my family」と指示する。写真アルバムを検索するときは、「Show me my pictures from Yellow Stone」と、また、その中で動物が写っている写真を選ぶときは、「The ones with animals」と語る。複数のアプリを音声でサクサクと処理できる。

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長いメールを言葉で生成

次世代Assistantは音声認識機能が大幅に向上し、長いメールを言葉だけで生成できる(下の写真)。Assistantに「Send mail to Jessica」と指示すると、メールアプリが起動。ここにメール文を音声で読み上げるとテキストに変換される。メールの題名を指定するときは「Set subject to Yellow Stone Ventures」と述べる。今までは短いメールに限られていたが、次世代Assistantは正確に音声をテキストに変換するので、長いメールでも苦にならない。

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Duplexでレンタカーを予約

Googleは昨年、AIがレストランに電話をかけ予約する機能「Duplex」を発表し市場を驚かせた。今年は、Duplexでウェブサイトを操作する機能を発表した。DuplexはAssistantと連携して稼働する。Assistantにタスクを指示すると、Duplexがウェブサイトにアクセスし、これを実行する。Duplexはウェブサイトでレンタカーを予約できる。Nationalのレンタカーを予約する際は「Book a car with National for my next trip」と指示する。DuplexはNationalのウェブサイトにアクセスし予約プロセスを起動(下の写真)。Duplexは利用者のカレンダーから次の出張予定を把握しており、予約日時を自動で入力する。また、Duplexは前回借りた車種を表示し、利用者の氏名や連絡先を入力する。利用者はこれら入力された情報を確認して予約を実行する。数多くの画面でデータを入力する必要はなく、実行ボタンを押すだけで予約が完了する。

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個人に沿ったサービス

現行Assistantはその機能が拡充され、利用者の情報を幅広く把握することで、個人に沿ったサービスを提供する。個人情報は「Personal Preference」のページで事前に登録しておく。また、家族の情報、よく訪れる場所、好みの音楽などを登録しておくと、Assistantはこれらに沿った情報を提示する。「Nest Hub」(旧Google Hub)にディナーのレシピを尋ねると、Assistantは利用者は地中海料理が好きであることを理解しており、「Classic Israeli Shakshuka」を推奨する(下の写真)。また、Assistantは環境も理解しており、朝の時間帯にレシピを尋ねると朝食の作り方を示す。

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Assistantをクルマで利用

Assistantはクルマの中で音声によるナビゲーションのほか、メッセージング、電話、メディア操作ができるようになった(下の写真)。クルマのダッシュボードにスマホを装着し、「Let’s drive」と述べてこの機能を起動する。Assistantは利用者の予定を把握しており、ディナーの予約があればそのレストランまでのナビゲーションを始める。Assistantは利用者の好みの音楽を把握しており、それをスマホ画面に表示する。また、電話を受信するとAssistantは発信元の名前を表示する。

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クルマを遠隔操作

Assistantは遠隔でクルマを操作する機能を搭載した。クルマに乗る前に車内の空調を起動するときは「Turn on the car A/C to 70 degrees」と指示する。この他に、ガソリン残量やドアロックを確認できる。対象となるメーカーとシステムはHyundaiの「Blue Link」とMercedes-Benzの 「Mercedes me connect」。

提供時期

次世代AssistantはPixelの次のモデルに搭載され、出荷時期は2019年末の予定。Googleは次世代のスマホモデルを発表していないが、これで今年末に出荷される予定であることが分かった。DuplexはAndroid OSを搭載したデバイスで利用でき出荷時期は2019年末の予定。また、これ以外のAssistant新機能は2019年の夏から出荷が始まる。

控えめの発表

いま個人情報管理に関しハイテク企業に厳しい目が向けられている。収集した個人データがどのように利用されているのか、GAFAに対して透明性が求められている。基調講演ではPichaiが自らGoogleの個人データ管理の指針とそれを実装したツールを説明した。講演はお祭りムードではなく、新製品発表は控えめに行われた。全体を通して、AI技法をアピールするより、開発された技術がどう生活に役立つかを示し、AI応用技術に軸足が移っているのを感じた。