Googleはスマホ向けのプロセッサ「Tensor SoC」(下の写真)を独自で開発した。SoCとは「System on a Chip」の略で基本ソフトを稼働させるメインのプロセッサとなる。今までGoogleは半導体企業QualcommからSoC (Snapdragon)を調達してきたが、Pixel 6向けにはこれを独自で開発した。Tensorという名称が示すように、AI処理に重点を置いたプロセッサ構成となる。一方、SoCを構成するユニットとして、CPU、GPU、5G Modemなどがあるが、Googleはこれらを独自で開発したのかどうかについては公表していない。(米国メディアはSoCのベースをSamsungからライセンスを受け、GoogleはAIプロセッサの部分を開発したと推測している。)
Apple CardはiPhoneのおサイフ「Wallet」に登録して利用する(上の写真左側)。既に、クレジットカードなどを登録して使っているが、ここにApple Cardが加わった。Apple
Cardにタッチすると初期画面が表示され、ここに買い物のサマリーが示される(上の写真右側)。Apple Cardは物理的なカードも発行しており、これはチタン製のお洒落なカードで「Titanium
Apple Card」と呼ばれる。表面は銀色でカード番号などは印字されておらず、安全性を重視したデザインとなっている(下の写真)。手に持つと、プラスチックのカードとは違い、ずっしりと重い。
出典: VentureClef
Apple Payから利用する
Apple Cardはモバイル決済「Apple
Pay」で利用するのが基本パターン。Apple Payに対応している店舗やアプリで利用する。使い方は従来と同じで、サイドボタンをダブルクリックし、Face
IDなどで認証し、デバイスをリーダにかざす(下の写真)。アプリ内決済では認証が完了すると決済プロセスが起動される。
出典: Apple
Titanium Apple Cardを使う
Apple Payを使えないケースではTitanium
Apple Cardを使う。Apple CardはMastercardのネットワークを使い、カードを発行する銀行はGoldman Sachsとなる(下の写真、カード裏面)。Appleブランドのインパクトが強いが、Titanium
Apple Cardを使うときはMastercardを取り扱っている店舗となる。通常のカードと同じく、Titanium
Apple Cardをリーダーに差し込んで使う。
出典: VentureClef
オンラインショッピングでは
Apple Payを取り扱っていないオンラインショッピングでApple
Cardを使うときは手間がかかる。Apple Cardのカード番号を決済サイトに入力する必要があるからだ。カード番号を見るには、Apple
Cardを起動して(下の写真左側)、「Card
Information」のページを開く。ここに表示されるカード番号、有効期限、PINを参照し、それらをオンラインサイトの決済画面に入力する(下の写真右側)。いつもは、クレジットカードに印字されているこれらの情報を入力するが、Titanium
Apple Cardにはカード番号は印字されていないし、セキュリティの観点から、この番号はApple Cardの番号とは異なる構造を取る。Apple Cardの番号は「Card Number」と呼ばれ、オンラインショッピングではこの番号を使う。
出典: VentureClef
購買履歴のサマリー
Apple Cardで買い物をすると、購買履歴は綺麗に整理されて表示される(下の写真左側)。買い物の一覧表が企業ロゴと一緒に示され分かりやすい。買い物の内容を確認する際は各アイテムにタッチすると、店舗名やその場所が画面に示される(下の写真中央)。また、購買アイテムをカテゴリーごとに表示する機能もあり、週ごとに購買金額とそのカテゴリーがグラフで示される(下の写真右側)。カテゴリーは色分けされ、黄色はショッピング、緑色は旅行、青色は交通費、紫色はサービス、赤色は医療などとなる。
出典: VentureClef
キャッシュバック
Apple Cardの魅力は買い物をするとキャッシュバックを受け取れること(下の写真左側)。キャッシュバックは月ごとではなく、買い物をした日に受け取れる(下の写真右側)。キャッシュバックは「Apple Cash」に振り込まれ、送金や買い物で使うことができる。Apple製品を買うと購買金額の3%のキャッシュバックを受ける。また、Apple Payで買い物をすると購買金額の2%を、Titanium Apple Cardで買い物をしたら1%のキャッシュバックを受ける。
Apple CardはApple Payで使うことを前提に設計されている。このため世界のiPhone利用者9億人が潜在顧客となる。Appleはこの巨大なネットワークでフィンテック事業を展開し、Apple
Cardのトランザクション量に応じて手数料を徴収する。ブランドもMastercardではなくApple
Cardで、カード会社とAppleの位置関係が分かる。これからのクレジットカード事業はデザインや機能性が重要になり、IT企業がそれをけん引する流れが鮮明になってきた。
Apple Face IDはiPhoneを取り上げ、それを顔の前にかざし、指で画面を下から上にスワイプしてデバイスをアンロックする。これに対し、Google Face
Unlockは、Soliが利用者が近づいているのを検知し、Face
Unlock機能を事前に起動する。顔がセンサーの視界に入り、アルゴリズムがこれを認証すると、Pixel 4が掴まれると同時にデバイスがアンロックされる。つまり、Pixel 4を持つだけでデバイスがアンロックされることになる。また、上下を逆に持ち上げられてもアルゴリズムは顔を認証できる。
セキュリティチップ
Face Unlock機能はPixel 4で稼働し、データは外部に出ることはなくデバイスに留まる。顔イメージなどの個人情報はデバイスに留まり、セキュリティやプライバシーに配慮した設計となっている。具体的には、顔を登録した際の情報は、Googleサーバに保管されることはなく、Pixel 4に搭載されるセキュリティチップ「Titan
M」に格納される。Titan MはPixel 3から採用されデバイスの金庫として機能し、基本ソフトやアプリで扱うデータが安全に保管される。
Google Lensはテキストを認識し、それを文字に変換し、それらの意味を理解する。名刺を読み込むと、そのまま住所録に登録できる
(下の写真、左側)。名刺に記載されている電話番号を認識し、そのまま電話を発信できる。更に、住所を認識し、Google
Mapsにリンクして、その場所までナビゲーションする。街中のポスターで気になるコンサートの案内があると、それをGoogle
Lensで見ると、プログラムや連絡先を抽出する (下の写真、右側)。Google Lensは所謂OCR(光学文字認識)として機能するが、コンテンツの意味まで理解するので、その利用価値は高い。
出典: VentureClef
美術館の案内
Google Lensは絵画や彫刻など芸術作品を理解しその内容を解説する。美術館で音声ガイドを借りる代わりに、Google
Lensが案内役を務める。Google Lens越しに絵画を見ると、作品の題名と概要を表示し、示されたリンクを辿ると作品の詳細を読むことができる。(下の写真、左側、この絵はセザンヌ作の「Chateau Noir」と表示)。撮影した写真を後日、Google Lensで見ると、同様な説明が表示される。(下の写真、右側、この彫像はロダン作の「Les Bourgeois de Calais」(カレーの市民)で、その概要が示される。) Google Lensの絵画に対する認識精度は極めて高く、美術鑑賞のスタイルが変わる。
出典: VentureClef
観光ガイド
Google Lensはランドマークを認識し観光ガイドとして利用できる。周囲のビルやモニュメントにカメラを向けると、Google
Lensがそれらの名前を表示する。Google Lens越しにGoogle本社ビルを見ると「Googleplex (Googleキャンパス)」と表示され、リンク情報が提示される (下の写真、左側)。また、撮影した写真を後日、Google
Lensで見ると、観光した場所の名前と概要を教えてくれる (下の写真、右側、スタンフォード大学内の「Memorial
Church」とその概要を表示)。ただ、数多く存在するランドマークを認識するには高度な技術を要する。更に、見る角度や影の方向でイメージの判定が難しい。このため、Google
Lensが認識できるランドマークの数は限られ、認識精度も完全ではなく、更なる技術改良が必要となる。
出典: VentureClef
植物図鑑
Google Lensを植物に向けるとその名前を教えてくれ、植物図鑑として使うことができる。カメラで白い花を見ると、Google
Lensはこれは「Jasmine」(ジャスミン)と教えてくれる (下の写真、左側)。写真撮影した草花の種類をGoogle
Lensで調べることができる。よく見かけるオレンジ色の花の写真をGoogle Lensで調べると、これは「California
Poppy」(ハナビシソウ)であることが分かった。植物の判定は難しく高度なニューラルネットワークが必要であるが、Google
Lensを花に向けると敏感に反応し正解率は悪くない。一方、樹木や木の葉にについてはアルゴリズムの教育ができていないのか、認識力が大きく落ちる。制限事項はあるものの、Google
Lensで身の回りの植物の種類を知ることができ、コンピュータビジョンの進化を肌身で感じる。
出典: VentureClef
Smart Text Selection
Google Lensの機能が強化され、「Smart
Text Selection」、「Style Match」、「Real-Time
Results」が追加された。Smart Text Selectionは、Google
Lensが認識したテキストの中から、特定部分を選択する機能。例えば、レストランメニューのなかから、気になる料理を選択すると、Google
Lensはその内容を説明する。イタリア語で書かれていて読めない時は、Translateボタンにタッチすると翻訳してくれる
(下の写真)。この料理はマグロのスライスにオレンジサラダが付いているのだと分かる。
AR Stickersは様々なセットを提供しているが、一番人気は映画スターウォーズ最新作「Star
Wars: The Last Jedi」のキャラクターである。このセットを選ぶと、映画に登場するキャラクターをビデオの中に取り込める。例えば、銀河帝国軍の機動歩兵「Stormtrooper」を選ぶと、ビデオの中に配置できる。撮影を始めるとビデオの中でStormtrooperが動き喋り出す(下の写真)。一人だけでなく複数のStormtrooperを配置でき、それぞれが独自に動く。これらの機動歩兵は極めてリアルに描写され、動きは滑らかで、現実のキャラクターと見分けがつかない。