Googleはディスプレイ付きAIスピーカー「Google Home Hub」の販売を開始した。早速使ってみたがAIスピーカーの新しい可能性を感じる。GoogleはHome Hubをスマートホームを管理するハブと位置付けている。Home HubはAIタブレットという印象で、AIアシスタントが次の次元にアップグレードされたことを感じる。

出典: VentureClef |
マクロコマンド
Home Hubに「おはよう」と語りかけると、一日の予定をブリーフィングする。天気予報に始まり、今日のスケジュールや道路の渋滞情報をディスプレイに示す(下の写真)。また、ニュースを登録しておくと、それらが順次ディスプレイで再生される。これは「Routines」という機能で、一言指示すると、登録している複数のコマンドが順次実行される。

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ニュース
当初、ニュースはポッドキャスト(音声配信)であったが、今ではビデオ形式に進化した。朝食を食べながらHome Hubで最新ニュースを見るのが日課となった。ニュースの種類も大幅に増えた。CNNなど大手メディアから(下の写真)、地元サンフランシスコのテレビ局のニュースも配信される。CNBCはビジネスに、TechCrunchはテクノロジーに特化したニュースを配信する。

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コントロール
Home Hubは名前が示す通り、スマートホームのハブで、家の中のデバイスを制御する(下の写真)。インターフェイスはタッチで、画面のアイコンに触って操作する。「Lights」はスマートライトを制御する機能で、電灯をオンオフしたり、光量を変えることができる。「Broadcast」を使うとHome Hubがインターコムになり、他のHomeと通話できる。「Camera」にタッチすると玄関先のビデオ画像が配信される。

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調理方法
Home Hubに質問すると回答をディスプレイでビジュアルに表示する。Home Hubをキッチンに置いているので、調理方法を質問することが多い。例えば、野菜の煮込み料理「ラタトゥイユ」の作り方を聞くとそのレシピをステップごとに示す。また、パイナップルの皮のむき方を尋ねると、ビデオでそれを表示する(下の写真)。ここではアプリ「Allrecipes」が使われている。

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検索
会話の中で議論となったことをHome Hubに尋ねると、ディスプレイにその答えが示される。女優Ariana Grandeのアイメイク「Cat Eye」について尋ねると、メイクの手順がYouTubeに示される。また、話題のお菓子「Unicorn Cake」とは何かと尋ねると、その写真がディスプレイに示される(下の写真)。スマホを取り出さなくても手軽に回答を得ることができるし、その結果をみんなで見ることができる。

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音楽
Homeと同様に、Home HubでGoogle MusicやPandoraなど音楽配信サービスを通して音楽を聴くことができる。ディスプレイには演奏中の音楽のタイトルやアーティストの名前が示される(下の写真)。今まではAIスピーカーからテレビに音楽を配信して聴いていた。このために配信デバイス「Chromecast」が必要で、これをテレビに装着する。Home HubではChromecastは不要で、そのまま手軽に音楽やビデオを再生できる。

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Ambient Mode
Home Hubを使っていないときはディスプレイがアートギャラリーになり作品が表示される。ここには名画の他に、印象的な写真やストリートアートが表示される(下の写真)。また、「Fullscreen Clock」を選ぶと、スクリーン全体が時計になる。ディスプレイの輝度は周りの光量に応じて自動で調整される。夜になり周りが暗くなると自動でスリープモードとなり、デジタル時計が表示される。

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写真アルバム
Home Hubで便利な機能が撮影した写真を表示できること。Ambient Modeで「Google Photos」を選択すると写真アルバムが表示される。「Family & Friends」のオプションを選択すると家族や友人やペットが写った写真を表示する。音声で指示するとその写真を表示することもできる。例えば「サンフランシスコで撮った写真」と指示すると、それらが画面に表示される(下の写真)。

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監視カメラ
Home Hubは監視カメラと連携し、玄関先の様子をストリーミングする。ドアベル「Nest Hello」と連携すると、チャイムが押されると自動で玄関先のビデオ画像を表示する(下の写真)。ビデオで来訪者を確認してドアを開けることができるので安心感が格段に向上する。ちなみに、知人が訪ねてくるとHome Hubは来訪者の名前を告げる。

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タッチか言葉か
GoogleはHome Hubをスマートホームを制御するデバイスと位置付ける。操作はタッチインターフェイスで画面に触りながら操作する。実際に使ってみるとタッチより言葉のほうが便利で、Home Hubへの指示はほとんど言葉でする。つまり、Home Hubをハブとしてでなく、AIディスプレイとして利用している。ちなみに、指示した言葉はディスプレイに示され(下の写真)、どう聞こえているかが分かり会話がしっくりくる。

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競争が激化
ディスプレイ付きAIスピーカーは対話が言葉だけでなく、グラフィカルに示され、コミュニケーションの質がリッチになる。この市場ではAmazonが先駆者で2017年6月に「Echo Show」を出荷。Facebookは2018年11月、AIスピーカー「Portal」を投入したが、ここにはディスプレイが付いている。AIスピーカーはAIタブレットに進化を遂げ、この市場で競合が激しくなっている。