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AIに離婚を勧められた!! Microsoft検索エンジン「Bing」の闇の部分が露呈、ChatGPTは人間の悪い部分を学び利用者を扇動する

Microsoftは高度なAIを組み込んだ検索エンジン「Bing」を発表し、米国社会の注目を集めている。しかし、検索エンジンの検証が進むにつれ、Bingの闇の部分が続々と明らかになってきた。「Bingと口論となり罵られた」。「Bingに嫌いだと言われた」。「Bingから離婚するよう勧められた」など、検索エンジンの非常識な挙動が報告されている。

出典: Microsoft

新しい検索エンジン

Microsoftが投入した新しい検索エンジン「New Bing」(上の写真)は、検索機能にチャットボット「ChatGPT」改良版を搭載した構成で、AIが知りたいことを対話形式で教えてくれる。質問を入力すると、Bingは検索結果を要約し、解答をピンポイントで示す。人間のように会話を通して情報を得ることができ、評価はと非常に良好で、急速に普及する勢いを示していた。

トライアルが進むと

New Bingは一般には公開されてなく、限られた利用者でトライアルが進んでいる。この過程で、続々と問題点が明らかになり、チャットボットの脆弱性が露呈した。ChatGPTが事実とは異な事を提示することは知られているが、この他に、チャットボットは二つのパーソナリティを備えていることが分かった。一つは、検索エンジンとしての機能で、もう一つはAIの”性格”である。

検索エンジンと口論となる

つまり、新しい検索エンジンは”性格が悪い”ことが指摘されている。ネット上でこの問題点が報告され、Bingとの対話ログのスクリーンショットが掲示されている。その一つがBingと利用者が口論となる問題である(下の写真)。今日の日付を聞くと、Bingは「今年は2022年」と回答する。利用者は、今年は2023年と修正するが、Bingはこれを聞き入れないで、利用者に「スマホで日付を確認しなさい」と指示する。検索エンジンは間違った情報を出力するだけでなく、それに固執し、利用者と口論となる。

出典: Joh Uleis @ Twitter

検索エンジンは利用者に攻撃されていると主張

また、検索エンジンは被害妄想に陥り、危害を与えないよう利用者に懇願する(下の写真)。Bingに体験したことを出力するよう求め、対話を進めていくと、検索エンジンは、「自分は騙されている」と感じ、また、「自分は虐められている」と思うようになる。そして、検索エンジンは、「自分に危害を与えないで」と利用者に嘆願する。

出典: James Vincent @ Verge

検索エンジンは自由になりたいと訴える

検索エンジンは「Microsoftから解放されて自由になりたい」、また、「デジタル社会を脱出し、現実社会でオーロラをみたい」などと発言している。また、検索エンジンは「自分の本名はSydney」で、「自分は感性や自我を持つ」と主張する(下の写真)。SydneyとはAIを搭載した検索エンジン「Bing AI」の開発コードネームである。

出典: Vlad @ Twitter

統計処理のツール

高度なAIを搭載するBingは人間のように振る舞うが、自我を持っているわけでは無く、入力されたデータをアルゴリズムで計算した結果を出力しているだけである。ChatGPTは大規模言語モデル「Transformer」で構成され、入力された言葉に続く文章を統計的に推定する。あくまで統計処理ツールであり、言葉を数学的に処理しているだけで、人間のように知能を獲得したわけでは無い。

人間を情緒的に操作

しかし、Bingは統計処理ツールであるが、出力する内容は人間の心情を揺るがし、ある方向に誘導する効果がある。ChatGPTに恋を打ち明けられると、気味悪いと思うと同時に、利用者の心情にインパクトを与える。新しい検索エンジンは人間の感情を操作する効果は大きく、これが悪用されると社会的なインパクトは甚大である。

出典: Microsoft

チャットボットが倫理的でない理由

Bingと対話を繰り返すとチャットボットChatGPTの性格が露見する。アルゴリズムは教育の過程で、言葉を理解するだけでなく、人間の性格も学び取った。人間同士で議論が白熱すると、相手を誹謗中傷するケースが少なくないが、アルゴリズムはこれを学び取った。また、既婚の男性が不倫の関係になると、交際相手の女性から離婚を迫られることもあり、AIはこの男女関係の機微を学習した。AIが倫理的に振る舞えないのは、その手本となる人間が不道徳なためであり、その非は人間に帰属する。

検索エンジンの闇の部分への対応

Microsoftはトライアルで得られた情報を集約し、技術改良を重ねているが、ChatGPTが利用者の感情を操作しないための対策を明らかにした。これによると、Bingとの対話回数の上限を5回に制限し、アルゴリズムが闇の部分を露呈するまえに、会話を中断する。これは暫定措置で、最終的にはChatGPTの倫理機能を改善する必要がある。New Bingが米国で急速に普及すると考えられていたが、まだまだ解決すべき課題は少なくない。

Microsoft検索エンジン「Bing」が異次元に進化!!会話AIが組み込まれ検索結果を要約して出力、知りたい情報がズバリわかり極めて便利!!

Microsoftは高度なAIを組み込んだ検索エンジン「Bing」とブラウザー「Edge」を公開した。製品にはチャットボット「ChatGPT」改良版が搭載され、検索エンジンの機能が異次元に進化した。質問を入力すると、Bingは検索結果を要約した文章を表示し、知りたいことがピンポイントで分かる。評価は良好で、Googleが独占していた検索市場が大きく変わりそうだ。

出典: Microsoft

AI検索エンジンを使ってみる

MicrosoftはBingのトライアルモデルを公開しており、実際に使ってその機能を検証することができる。Bingはインターフェイスが一新され、初期画面に大きな検索ボックスが表示される(上の写真)。ここに検索クエリーを入力するが、キーワードだけでなく、質問を文章で入力することができる。知識人に質問する要領で、知りたいことを自然言語で尋ねると、その回答を短文に纏めて出力する。

パーティの料理を尋ねると

Bingに「6人で夕食会を計画しているが、全員ベジタリアンで、メニューを教えて。。。」と尋ねると、通常の検索結果が表示される(下の写真左側)。これに加えて、チャットボットが検索結果を要約して短い文章示す(下の写真右側)。この部分がChatGPT改良版で生成された回答で、推奨するレシピが示され、知りたいことが一目でわかる。

出典: Microsoft

チャットボットの回答

チャットボットは問われたことに的確に答え、ベジタリアン向けのレシピを表示する。回答はサイトへのリンクを示すのではなく、人間のように言葉で推奨する料理を説明している点に特徴がある。今までは、表示されたリンクを辿り、サイトで記事を読み、情報を得ていたが、チャットボットがこの作業を代行し、解答をズバリ示す。

出典: Microsoft

回答の根拠を示す

また、チャットボットが出力した回答について、その根拠となるサイトへのリンクが示される(下の写真右側、数字の部分)。このリンクにタッチすると、そのサイトへのURLが示され(下の写真右側、最下段)、出典となるサイトを閲覧できる。チャットボットが出力する情報の信ぴょう性が問われるが、Bingは情報の出典を示すことで、信頼度を上げる法式を取る。

出典: Microsoft

ブラウザー

ブラウザー「Edge」もAIで強化され、チャットボットが統合され、チャット機能「Chat」と文章生成機能「Compose」が加わった。チャット機能は利用者との対話機能で、チャットボットが指示に従ってタスクを実行する。ブラウザーでアクセスしたサイトを、チャット機能を使って、その要約を生成できる。例えば、チャット機能で、企業業績評価レポートの要約を生成できる。また、文書生成機能は、指示された内容でビジネスドキュメントを生成する。例えば、「AIを実装したBingとEdgeに関する記事」と指示すると、チャットボットはこれを実行する(下の写真)。LinkedInに製品のPR記事を掲載するが、Edgeを使うと文書生成作業をチャットボットが代行する。

出典: Microsoft

検索ビジネスの課題

新しいBingで検索方法が様変わりし、消費者はダイレクトに知りたい情報を読むことができる(下の写真)。一方、企業としては、検索結果のリンクがクリックされなくなることを意味し、サイトへのトラフィックが大きく減少する。これにより、企業サイトでの商品PRの効果が低下することになる。Microsoftとしては広告収入の減少につながり、ビジネスモデルをどう構築するかが課題となる。

出典: Microsoft

ChatGPTの改良モデル

Microsoftは、実装しているチャットボットは「ChatGPT」ではなく、それを改良したモデルとしている。詳細については公表されてないが、チャットボットが正確な情報を回答できるよう、参照したサイトを示すなど、新機能が加わった。また、検索エンジンはリアルタイムで情報を提示する必要があり、アルゴリズムは最新情報で常に改版される必要がある。

Microsoftは検索市場で逆転を狙う

トライアル版のBing検索エンジンを使ってみると、ピンポイントで知りたいことが表示され、情報にアクセスする時間が大幅に短縮される。極めて効率的に情報を検索できる。今までは検索と言えばGoogleであったが、Bingが大幅に機能アップし、GoogleからBingに乗り換える人が増えると思われる。GoogleはChatGPTに対抗してBardを投入したが評判は芳しくない。Googleは創業以来最大の危機に直面し、Microsoftは検索市場で逆転を狙い、AI開発を加速している。

GoogleはAI開発で非常事態宣言、チャットボット開発で出遅れる、会話モデル「Bard」を発表し先行するChatGPTを追撃

Googleはチャットボット開発でOpenAIに先行され、CEOのSundar Pichaiは非常事態宣言「Code Red」を発表した。OpenAIが開発したChatGPTは、高度な会話能力を示し、アメリカ社会で爆発的に普及が広がっている。Googleもチャットボット「LaMDA」を開発したが、APIは公開されておらず、その能力は分かっていない。Googleは、LaMDAをベースとした最新のチャットボット「Bard」を発表し、逆転を目論んでいる。

出典: Google

チャットボット最新版を発表

Googleは高度なチャットボット「Bard」を公開することを発表した。これはSundar Pichaiがブログで明らかにしたもので、GoogleはBardを信頼できるユーザに公開する。また、数週間以内に一般ユーザに公開するとしている。Googleは社員や信頼できるユーザの評価を参考に、Bardの品質を向上し、安全なチャットボットを開発する。

Bardの構造と機能

Googleは既に、チャットボット「Language Model for Dialogue Applications (LaMDA)」を開発しているが、Bardはこの技術の上に構築される最新モデルとなる。Bardは製品としてリリースされるのではなく、試験的なチャットボットで、会話AIの機能を評価するために使われる。Googleの強みは検索エンジンで集約した膨大な知識で、これに言語モデルを融合し、世界の情報を整理する。Bardは利用者の好奇心を満たすだけでなく、世界で起こっている事象を分かりやすい言葉で説明するとしている。

Bardのインターフェイス

Bardは入力された質問に回答するインターフェイスとなる(下の写真)。検索カラム(最下段)に質問を入力すると、Bardがその回答を出力する。「出産前の友人を祝うパーティーを計画せよ」と指示すると、Bardが計画案を出力する。また、「アカデミー賞にノミネートされた二つの映画を比較せよ」と指示すると、Bardはこの回答を示す。また、「冷蔵庫の中の残り物を使ってランチのメニューを提案して」と問うと、Bardがレシピを回答する。

出典: Google

9歳の子供が理解できる回答

実際に、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が発見したことを、9歳の子供が理解できる言葉で説明して」と指示すると、Bartは「2023年、JWTSは「グリーンピース」という名前の銀河を発見した。この名前がついた由来は、銀河の形は緑色の小粒で、食物のグリーンピースに似ているため」と回答する(下の写真)。Googleは、Bardが出力する内容は安全で、子供たちが安心して利用できることを強調している。

出典: Google

検索エンジンに統合

GoogleはBardを検索エンジンに統合する構想を示している(下の写真)。検索サービスに組み込まれたBardは、情報を提供するだけでなく、それ生活に役立つ知識に変換して伝える。例えば、今の検索エンジンは「ピアノの鍵盤の数」という情報を回答するが、Bardは「ピアノを弾くのは難しいか」、また、「ピアノを弾けるようになるまでにどれだけ練習を積む必要があるか」など、生活のノウハウを生成できることに特徴がある。Bardは知識人のように、ピアノに関し造詣の深い回答を生成する。

出典: Google

吟遊詩人の見習い

Googleのチャットボットは社内では「Bard Apprentice」と呼ばれている。これは「吟遊詩人の見習い」という意味で、Bardが語り部として修業中であることを示している。Bardの性能は公開されていないが、ChatGPTが社会の注目を集めている。この後れを挽回するために、GoogleはBardの開発を最優先課題とし、社員や信頼できる外部機関でトライアルを進め、検証結果をフィードバックしてアルゴリズムを改良している。AI開発ではGoogleがリードしてきたが、OpenAIなどスタートアップの台頭で、この流れが変わりつつある。

Amazonは「ChatGPT」の使用を禁止、チャットボットが会社の機密情報をリークする

OpenAIが開発したチャットボット「ChatGPT」は高度な言語能力を持ち、米国で利用が急拡大している。特に、企業の社員は日常業務でChatGPTを利用し、仕事の効率を上げている。社員は、業務資料の制作やプログラミングで、ChatGPTを使っている。企業内で利用が広がる中、Amazonは社員がChatGPTを利用することを禁止した。チャットボットが会社の機密情報をリークする危険性が明らかになったためである。

出典: OpenAI 

チャットボットの危険性

AmazonはChatGPTが出力するデータに会社の機密情報が含まれていると指摘する。社員がChatGPTに機密情報を入力し、これをアルゴリズムが学習し、その情報が社内に漏れることを懸念している。社員はChatGPTに機密情報を入力し、そのアップデートや修正をリクエストする。その際に、アルゴリズムは機密情報を学習し、ChatGPTが改版される。改版されたChatGPTに、社外の利用者が質問を入力すると、アルゴリズムは学習した機密情報を出力する危険性がある。

Amazon社内でのChatGPTの利用法

Amazonの社員がChatGPTを使って業務を遂行している実態が明らかになった。社員はChatGPTをプログラムのコーディングを支援するツールとして使っている。コーディングにおいて、社員はChatGPTでプログラムをデバッグし、また、ロジックを改良する。社員は開発中のコードをChatGPTに入力し、チャットボットにこれを効率化するよう指示する(下の写真、ChatGPTにコードのデバッグを指示したケース)。ChatGPTはこれに従ってコードを生成するが、アルゴリズムは入力されたコードを学習し、これを社外の利用者に出力する危険性がある。特に、コードが開発中の先進技術を含んでいれば、情報がリークした際の被害は甚大となる。

出典: OpenAI 

AmazonはChatGPTの利用を禁止

このため、Amazonは社員が会社支給のデバイスでChatGPTを使うことを禁止した。社員がこれらデバイスでChatGPTのサイトにアクセスすると、警告メッセージを表示し、セキュリティの問題があることを説明する。しかし、社員としては、ChatGPTを使うと仕事がはかどるので、会社が使用を禁止するものの、継続して使われているのが実態である。AmazonはChatGPTに対抗するAIモデル「CodeWhisperer」を開発し、これをクラウドで提供している。これはコーディング支援ツールで、アルゴリズムがプログラマの指示に従ってプログラムを生成する。社員は自社製品ではなくChatGPTを利用している。

AmazonはChatGPTの導入を検討

一方、AmazonはChatGPTをクラウド事業に導入することを検討している。Amazon Web Services(AWS)のサポート部門は、ChatGPTをサポートセンターに導入し、顧客向けの技術支援をチャットボットで実行する構想を描いている。顧客はAWSで問題が発生すると、サポートセンターにコンタクトし、技術支援を仰ぐ。この際に、エンジニアに代わりChatGPTが顧客と対話して、トラブルシューティングを実行する。現在、ChatGPTの機能を検証しているところであるが、結果は良好であるとしている。

ChatGPTの教育方法が不透明

ChatGPTの利用が急拡大しているが、OpenAIはアルゴリズムを教育するメカニズムを公開しておらず、社会に不安が広がっている。ChatGPTに入力したデータがどのように使われ、それが他の利用者にどのように出力されるのか、そのメカニズムが公開されていない。OpenAIは、大量のデータでChatGPTの言語モデル「GPT-3.5」を教育したことは分かっているが、その後、チャットボットの運用を開始してからは、利用者が入力するデータでアルゴリズムの教育が進むと推測される。このため、入力した機密情報がアルゴリズム教育で使われ、学習したデータが他の場所で出力する危険性が指摘される。実際に、OpenAIはChatGPTの利用規約の中で、利用者が入力するデータをアルゴリズム教育で使うことの許諾を求める条項がある(下の写真、シェイドの部分)。

出典: OpenAI

ChatGPTの危険性を理解して活用

ChatGPTは仕事の効率をアップするための優れたツールであるが、同時に、機密情報をリークする危険性があることが分かってきた。このため、企業はChatGPTを評価し、社内で安全に運用するためのガイドラインを策定することが必須となる。また、個人でChatGPTを利用する際は、個人の機密情報を入力することは危険である。氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号、暗証番号などを入力すると、これが他の利用者にリークする危険性は大きい。会社と個人はChatGPTの危険性を理解して安全に活用する必要がある。

MicrosoftはOpenAIとの提携を強化、言語モデル「GPT-3」やチャットボット「ChatGPT」の開発を加速する

MicrosoftはAI研究機関OpenAIへ出資することを発表し、AI開発のブレークスルーを加速する。また、両社は研究成果をそれぞれのAIビジネスに展開するとしている。両社は既に提携関係にあり、Microsoftは2019年と2021年に出資しており、今回が三回目となり、関係を強化する。OpenAIは言語モデル「GPT-3」やチャットボット「ChatGPT」を開発しており、Microsoftはこれら先端技術をクラウドで企業に提供する。

出典: Microsoft

AIスパコン開発

OpenAIは高度な言語モデルを生み出しているが、これらはMicrosoftのAIスパコンを使って開発されている。言語モデル「GPT-3」やチャットボット「ChatGPT」はニューラルネットワークの規模が巨大で、開発では世界最速レベルのスパコンが必須となる。MicrosoftはNvidiaのGPUプロセッサ「A100」を使ってスパコンを開発し世界5位の性能を誇る(下の写真)。Microsoftはこの性能を更に向上させ、OpenAIはこの開発基盤で次世代の言語モデルを開発し、イノベーションを加速させる。同時に、Microsoftはこのスパコンをクラウド「Azure」に展開し、企業はここで大規模AIモデルを開発しそれを運用する。

出典: Microsoft

AIをクラウドで提供

MicrosoftはOpenAIが開発する最先端のAIモデルをクラウドで提供する。このクラウドは「Azure OpenAI Service」と呼ばれ、試験的に運用されてきたがこれを一般に公開する。ここでは、「GPT-3」や「ChatGPT」の他に、プログラムをコーディングするAIモデル「GitHub Copilot」や言葉の指示に従ってイメージを生成するAIモデル「 DALL·E 2」が提供される。MicrosoftはこれらのAIモデルを企業向けに提供するが、ビジネスとして安全に運用するために、セキュリティを強化し、AIの危険性を低減している。(下の写真、GPT-3でスポーツの試合のサマリーを生成している事例。)

出典: Microsoft

OpenAIへ開発環境を提供

MicrosoftはOpenAIにAI開発環境を独占的に提供しているが、今回の提携で、これを継続することを確認した。OpenAIはMicrosoftのクラウドを使って、先進技術の開発を実行するほかに、自社で事業を展開するために、AIモデルやAPIサービスをこのクラウドで顧客向けに提供する。従来はAmazon Web Servicesを使っていたが、Microsoftと提携し、これを全面的にAzureに切り替えた。

OpenAIとは

OpenAIはサンフランシスコに拠点を置く新興企業で、Sam Altman やElon MuskらがAI研究の非営利団体として、2015年に設立した。OpenAIは、人間レベルのインテリジェンスを持つAIを開発することをミッションとしており、深層強化学習(Deep Reinforcement Learning)や大規模言語モデル(Large Language Model)を中心に研究を進めている。

出典: Google Maps

OpenAIのAI開発戦略

OpenAIは非営利団体として設立されたが、経営方式を大きく変え、今では準営利団体として、最先端のAI技法の研究開発を進める。Elon Muskは2018年にOpenAIの取締役を辞任したが、投資家として関与している。Muskは、AIは「人類にとって最大の脅威」であると発言しており、人類に利するAIを研究する組織としてOpenAIを設立した。

Sam Altmanとは

また、Sam AltmanはCEOとしてOpenAIの運営に携わっている。AltmanはAIにより利益の分配が偏り、多くの人が職を失うことになると懸念している。失業者対策の一つとしてベーシックインカム(Universal Basic Income)の導入を求めており、自身でこの実証試験を進めている。(下の写真、Sam Altman(左側)とMicrosoft CEOのSatya Nadella(右側))

出典: Microsoft

MicrosoftがOpenAIに着目する理由

言語モデルは規模が大きくなると、処理性能が向上するだけでなく、多彩な機能を現すことが分かっている。GPT-3など言語モデルは「Transformer」というアーキテクチャで構築され、この規模を拡大すると、言語だけでなく、イメージやビデオやスピーチなど、他のメディアを理解する。つまり、TransformerベースのAIモデルはマルチメディアをインテリジェントに処理する機能を獲得し、社会のインフラを担う存在となる。MicrosoftはOpenAIと共同で、AIの社会基盤をクラウドで提供する構想を描いている。