AI・機械学習の最大の学会であるInternational Conference on Machine Learning(ICML)が開催され、ワークショップでは研究テーマごとに最新技法が議論された。今年はAIのブラックボックスを解明する技法の研究が進み、フェイクイメージが生成されるメカニズムが見えてきた。
今年のテーマはこれを拡張した技法の研究で「Extending Explainable AI(XXAI)」と呼ばれる。ワークショップでExtending Explainable AIの研究成果が発表され、Chinese University of Hong KongのBolei Zhou助教授が、GAN(Generative Adversarial Networks)がフェイクイメージを生成する仕組みについて講演した。
入力データの数字を変えることで寝室のランプの輝度が増し部屋が明るくなるが、どのデータがこれに関与しているかは、生成されたイメージを分類することで特定する(下の写真)。具体的には、イメージフィルター(attribute classifier、F()の部分)で生成したイメージを区分けし、更に、イメージフィルターを入力データ(Latent Space Zの部分)で教育することで、どのデータがイメージ特性に寄与しているかが分かる。
出典: Bolei Zhou et al.
InterFace GAN
この仕組みを人の顔に適用すると入力データを操作することで顔の特性を変えることができる。この手法はInterFaceGANと呼ばれ、入力データの意味(Latent Space Semantic)を理解して、データを操作し、顔写真を編集することができる。Latent Space Semanticは年齢、メガネの着装、性別、顔の向き、表情などの意味を持ち、これらのデータを編集することで、顔写真を編集できる。(下の写真:左端の人物が、年を取り、メガネをかけ、性別を転換し、顔の向きを変えたケース。)
物理現象のシミュレーションにはスパコンが使われる。スパコンは物質の動きをシミュレーションするために開発されたといっても過言ではない。事実、米国国立研究所Oak Ridge National LabはIBMのスパコン「Summit」を使って様々なシミュレーションを実行している。原子炉内部をスパコンでシミュレーションし、原子炉の耐用期間を延長する研究を展開している。
Tesla CEOのElon Muskは中国・上海で開催されたAIイベントで、完全自動運転車を今年末までにリリースすることをビデオメッセージで表明した。これは「Full Self-Driving」と呼ばれ、レベル5の自動運転機能で、ドライバーの介在無しにクルマが自律的に走行する。また、これを支えるAIについて、基本機能は問題ないが、まだ解決すべき課題があることも明らかにした。
Full Self-Drivingは高度な自動運転機能で、高速道路や市街地を自動で走行する。高速道路では、入り口から出口まで自動走行し(Navigate on Autopilot)、車線変更も自動で行う(Auto Lane Change)。また、自動で駐車する機能や、駐車場からドライバーのところに自動で移動する機能もある(Smart Summon)。更に、市街地においては信号を認識し、自動で走行する。これは「Autosteer on City Streets」と呼ばれ、完全自動運転車の中核機能となる(下の写真)。この機能は2020年末までにリリースされる予定で、これでレベル5の完全自動運転車が完成する。
顔認識技術を使った犯罪捜査で恐れていた事態が発生した。New York Timesなどがこれを報道し、AIの危険性が再認識された。ミシガン州デトロイト警察は顔認識技術を使い犯罪捜査を進めている。監視カメラに写った顔写真を顔認識システムに入力し、その人物身元を割り出す。このケースでは、AIの判定結果は間違いで、黒人男性を誤認逮捕し長時間にわたり拘留した。警察はAIが判定する結果に基づき被疑者の逮捕に踏み切った。記事は、デトロイト警察は顔認識技術はRecognitionではなく、日本企業など技術を使っていると報じている。
これは米国政府の新型コロナに関する先進研究で、シリコンバレーの新興企業Evidation Healthが手掛けている。Evidation Healthはウェアラブルで被験者のデータを収集し、それを機械学習の手法で解析し、感染したことを判定する。研究資金は米国生物医学先端研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority)とビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)はから拠出され、研究成果は一般に公開される。