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アメリカ政府のAI政策が規制強化から開発促進に大転換!!OpenAIは一転してAIの規制緩和を求める、連邦議会は特区を設立しAI開発を後押し

アメリカ議会上院は公聴会を開催し、AI政策に関しOpenAI、AMD、Microsoftなどから意見を聴取した。公聴会の目的は、アメリカがAI開発で勝利するための政策の立案で、規制緩和、技術革新、中国との競争などで意見が交わされた。トランプ政権となり、アメリカ政府はAIの規制から推進に政策を一転した。OpenAIは、前政権では規制強化を求めたが、公聴会では一転して、規制緩和を主張した。連邦議会は開発特区(サンドボックス)を設立し、ここでAIをフリーハンドで開発させる構想を明らかにした。

出典: National Park Service

公聴会の概要

アメリカ連邦議会上院は、AI競争で勝利することをテーマ「Winning the AI Race: Strengthening U.S. Capabilities in Computing and Innovation」に公聴会を開催し、主要企業から意見を聴取した。公聴会には、OpenAIのSam Altmanなどが出席し意見を陳述した(下の写真)。AltmanはAI開発の規制を緩やかにすることを求めた。また、トランプ政権期間中に人間の知能を超えるAIモデルAGI(Artificial General Intelligence )が生まれるとの見通しを示した。公聴会の委員長であるTed Cruz上院議員は、新たなAI法案「AI Regulatory Sandbox」の構想を明らかにした。

出典: U.S. Senate Committee on Commerce, Science, and Transportation

単一の緩やかな規制

Altmanは連邦政府が全米をカバーする法令を制定し、緩やかなAI規制を実施することを求めた。現在は、全米50州が異なるAI規制法を制定し、開発企業はこの複雑な規則に準拠することを求められている。Altmanは、AI製品を出荷する前に安全検査を義務付けている現行法式は、企業の大きな負担となるとして、緩やかな規制を求めた。ただし、規制の内容については回答を控えた。

移民によるAI人材の確保

AltmanはAI研究者やエンジニアの採用を容易にするための政策を求めた。アメリカが科学技術で世界のリーダーとなっている大きな要因は移民政策にある。優秀な研究者やエンジニアがアメリカに移民し、ハイテク産業の基盤を支えている。AIにおいては、研究者やエンジニアがビザを取得するプロセスを簡素化することを要求した。

スケーリングとAGIの登場

Altmanはスケーリングの法則は継続しており、AIモデルのインテリジェンスは幾何級数的に向上しているとの見解を示した。AIモデルの教育プロセスにおけるスケーリングは緩やかになったが、インファレンスのプロセスでは実行時間を長くすると性能が向上している。また、AIモデルで特定の性能に到達するためのコストは1年ごとに1/10となり、インテリジェンスの価格が低下している。更に、AIモデルが人間レベルの知能に達成するための開発期間は急速に短くなっており、Altmanはトランプ政権期間内に「AGI」が登場するとの見解を示した。

製品出荷ロードマップ

AltmanはOpenAIの製品開発ロードマップを示し、今後3年以内にAIモデルで大きな技術進化があると述べた。OpenAIの製品リリース計画は:

  • 2025年:AIエージェント、実社会の複雑なタスクを処理するモデル、病院における予約業務など
  • 2026年:科学分野でブレークスルー、気候変動や医療などの分野でAIモデルの活躍が期待される
  • 2027年:ロボティックス、AIモデルを搭載したロボットの登場、工場など実社会で生産性が向上する

米国技術を世界に拡散させる

MicrosoftのBrad Smith社長はアメリカがAI競争で勝つためにはAIのイノベーションとエコシステムの両方が必要であるとの考え方を示した(下の写真)。エコシステムとは、インフラ、プラットフォーム、アプリから構成されるAIシステムの全体モデルを示す。AI競争を優位に展開するためには、これらをアメリカの技術で提供する必要がある。特に、アプリのレイヤーでは、AIモデルが世界各国に拡散(Diffusion)すること必須で、多くの人に利用されることで、最終的な勝利者となる。このために、政府は過度な輸出規制を導入するのではなく、最小の規制で製品拡散を後押しすべきとの見解を示した。

出典: U.S. Senate Committee on Commerce, Science, and Transportation

アメリカ連邦議会の構想

公聴会で委員長のTed Cruz上院議員はAI規制法に関する構想を明らかにした(下の写真)。この法案は「AI Regulatory Sandbox」と呼ばれ、AI開発における規制を最小限に留め、技術革新を後押しする構造となる。AI開発を推進するための特別地区「サンドボックス(Sandbox)」を制定し、企業はここで製品を最小の制限の元で開発する。サンドボックスは法令に関する特別なエリアで、企業は政府機関(連邦取引委員会や司法省など)から法的な責任を問われることなく、自由にAI開発を進める。これはインターネットが登場した当初のアメリカ政府の政策を模したもので、黎明期のAI技術の開発を民間企業や個人が自由に進められる環境を提供する。

出典: U.S. Senate Committee on Commerce, Science, and Transportation

公聴会を聴くと

公聴会はOpenAIがAI政策を大転換した場となった。2023年に開催された公聴会では、Altmanは政府が厳格なルールを設定し、AIを安全に開発する政策を提言した。今回の公聴会では一転して、ライトタッチ(Light-Touch)な規制を導入することを提言した。企業が幅広い自由度を持ち、技術革新を優先できる環境の整備を求めた。同時に、DeepSeekなど中国企業がAI技術を急速に伸ばしており、連邦議会は米国企業に開発のペースを速めることを迫っている。民間企業と連邦政府はAI競争で勝利することを共通の目標としており、アメリカはAIを規制する政策から、開発を促進する方向に進み始めた。

トランプ大統領は相互関税を発表、日本は24%、関税率算出の根拠をAIモデルで評価すると、「単純すぎる手法で間違っている」と判定!!

トランプ大統領はホワイトハウス・ローズガーデンで、米国の関税を引き上げることを発表した。大統領は貿易相手国に「相互関税(Reciprocal Tariff)」を課すことで米国が再び豊かになる(Make America Wealthy Again)との見通しを示した。また、貿易相手国の関税率や非関税障壁を基礎データとし、自国の関税を引き上げたと説明した。日本には24%の関税が課されることになる。しかし、米国社会ではどのように関税率を算定したのか、その根拠について議論が広がっている。また、米国の市民生活では、物価が上昇し、iPhoneの価格が2,300ドル(345,000円)の時代になると不安感が増幅している。

出典: White House

関税率算定の根拠に関する議論

ソーシャルメディアでトランプ政権が関税率を算定した根拠についての議論が広がっている。米国主要メディアは、関税率をリバースエンジニアリングして、「関税率=貿易赤字÷輸入額」としたと報じている(下のテーブル)。日本のケースでは、貿易赤字($68.5B)÷輸入額($148.2B) = 46%となる。一方、トランプ大統領はホワイトハウスでの発表会見で、貿易相手国に“優しい”政策を取り、関税率を半減すると説明した。そのため、日本への関税率は「46%÷2 = 約24%」となる。

出典: Politico

ホワイトハウスの見解

ホワイトハウスはメディアからの問い合わせを受けて、関税率算出の根拠となる資料を公表した(下の写真)。これはアメリカ合衆国通商代表部(Office of the United States Trade Representative)が作成したもので、相互関税(Reciprocal tariffs)の目的は、貿易相手国と貿易赤字のバランスを取るための政策であるとしている。税率は、相手国の関税と非関税を勘案して算定し、これにより相手国からの輸入量を低減し、長期的なバランスを保つことができるとしている。

出典: United States Trade Representative

関税率算定の方式

通商代表部はこの中で、関税率算定のアプローチについて説明している(下の写真)。これによると、関税率は「(貿易赤字÷輸入額)÷(弾力性)」となり、メディアで議論されている方式と同じ考え方となる。ただ、「弾力性(Elasticity)」という係数が導入され、輸入品の関税率に対する変動率が加味された。弾力性とは、関税を上げた際の輸入量の減少の変動率を示すもので、弾力性が高い商品と低い商品がある。ジュエリーなど装飾品は関税率を上げると購買量が低減し、弾力性が高い商品となる。一方、半導体など社会インフラを構成するアイテムは、関税率を上げても購買量がそれほど低減しないで、弾力性が低い商品となる。ホワイトハウスは弾力性=1.0として算定し、大統領の“優しい政策”で弾力性=2.0とし、関税率を半減した。

計算方法

通商代表部が公開した関税率算定数式(下の写真最下部)の定義は:

  • Δτᵢ: 貿易相手国(i)に対する関税率の変化(新関税率)
  • ε: 貿易品の弾力性
  • φ: 輸入価格への転移率
  • mᵢ: 輸入総額
  • xᵢ: 輸出総額

これらの記号で関税率を表すと次の通りとなる:

  • 新関税率(Δτᵢ) =(貿易赤字(xᵢ – mᵢ )÷輸入額(mᵢ))÷(弾力性(ε * φ))
出典: United States Trade Representative

関税率算定方式をAIで評価すると

この数式で関税率を算定することに関し、AIモデルにその妥当性について質問してみた。Gemini 2.5に上述の方式を入力し、その評価について質問すると、この数式は「単純化しすぎており妥当な方式ではない」との回答が返ってきた(下の写真)。この方式は二国間における関税率を算定するための簡便な法式であるが、基本的に間違っていると判定した。貿易赤字は関税率だけで決まるものではなく、投資レベルや為替レートなど複雑な要素が関連しており、これらを加味する必要があると説明した。

出典: Google

関税率算定方式を尋ねると

Gemini 2.5に関税率を算定する方式を尋ねると、トランプ政権の方式は「単純すぎる手法で間違っている」と指摘し、国際社会で共通理解が確立されていないが、一般に使われている手法を解説した(下の写真)。これによると、関税率の算定では1)ダンピング課税(Anti-Dumping (AD) Duties)と2)相殺関税(Countervailing Duties (CVD))があり、そのコンセプトと計算式を解説した。関税率を世界全体に一律に算定することは不可能で、国ごとの要件を勘案し、二国間でこれを決定することが基本ルールとなる。

出典: Google

トランプ政権の関税率早見表

トランプ政権の関税率の考え方に基づき、GPT-4oで関税率の早見表のコードを生成した。このコードを実行すると、米国の貿易相手国に対する関税率を可視化するグラフを生成できる。日本の場合は、日本からの輸入額と日本への輸出額を入力すると、関税率を算定する(下の写真)。ここでは、トランプ大統領が発表した”優しい関税政策”「弾力性 = 2.0」を使った。Gemini 2.5やGPT-4oを使うと、関税率に関する作業を自動化できる。社会生活で不安が広がる中、ホワイトハウスはこれらAIモデルを使って、国民に関税政策を分かりやすく伝えてほしいと感じた。

出典: Google CoLab Notebook