DeepNudeは改良が進み、最新版は「pix2pixHD」という技法を使っている。これはNvidiaにより開発されたGAN(Generative Adversarial Networks)で、入力されたイメージをベースに別のイメージを高解像度で生成する。下の写真:pix2pixHDの構造。pix2pixHDは二つのGAN(G1とG2)で構成される。G1はGlobal Generatorと呼ばれ低解像度のイメージを生成し、これをG2で高解像度(2048 × 1024)のイメージにエンハンスする。pix2pixHDは、Berkeley AI Research (BAIR) Laboratoryが開発した「pix2pix」を改良し、解像度を向上させ、安定性を強化した。
One Skinはこの老化細胞を取り除く技術を開発している。肌のアンチエイジングに焦点を当て、肌に蓄積する老化細胞を取り除くことで、皮膚を若返らせる技術を開発した。膨大な数のペプチド(Peptide、アミノ酸で構成された短い分子)を調べ、OS-01というペプチドが老化細胞を取り除く効果があることを発見。研究室での実験でOS-01は皮膚の老化細胞を25%から50%取り除くことができその効果を実証した。また、人体に適用しその効果を確認した。(下の写真、老化した肌(左側)にOS-01を12週間適用すると張りのある肌(右側)となった。)
シリコンバレーの識者の間で健康寿命の捉え方が変わりつつある。老化の研究が急速に進化しており、100歳まで健康で活躍できると考える人が増えてきた。革新的なアンチエイジング医療の研究が盛んで、健康管理を怠らなければ、我々は新技術の波に乗り、余命が大きく伸びそうだ。「100 is the new 60」という言葉をよく耳にする。これは、これからの100歳は従来の60歳という意味で、100歳まで元気に働ける時代は目の前に迫っている。
[OS-01の開発手法]
遺伝子と細胞年齢
One Skinは生物学と機械学習を駆使しOS-01の開発に成功した。One Skinは、研究室でヒトの肌を培養し、このプラットフォームの上でアンチエイジングの研究を展開。また、機械学習の手法で細胞の年齢を推定するアルゴリズムを開発。遺伝子のマーカーを細胞年齢の指標として使った。このアルゴリズムを使い、開発したペプチドで細胞がどれだけ若返ったかを推定した。(下の写真、アルゴリズムの結果を示し、縦軸が細胞の年齢で横軸がその推定年齢。)
Genomic Predictionの遺伝子解析サービスは医療機関を通じて提供される。提携している医療機関の数は少ないが、米国ではスタンフォード大学大学病院(Stanford Medicine Fertility and Reproductive Health、下の写真)経由でサービスを提供している。被験者は病院で診察を受け、必要に応じて受精卵の遺伝子検査を受ける。議論を呼ぶ治療法であるため、受精卵の遺伝子解析は慎重に進められている。