Model CardsはAI機能の限界についても記載している。顔の向き(Facial Orientation)の限界を表示し、これを超えると検知できないとしている。また、顔の大きさ(Face Size)が小さすぎると検知できないとしている。具体的には、瞳孔間の距離(Pupillary distance)が10ピクセル以下だと検知できない。他に、暗い場所、顔が隠れている場合、顔が動いている場合は検知できないと注意を喚起している。
Model Card:精度の説明
Model CardsはAIの判定精度についても説明している。精度は「Precision-Recall Values」をプロットしたグラフで示される(上の写真右側)。また、グラフはベンチマークで使用したデータ種類ごとに示され、ここでは三種類のデータセットを使った結果が示されている。Precisionとは顔と認識したケースの精度で、Recallとは写真の顔をどれだけ漏れなく認識できたかを示す指標となる。つまり、Recallを見ると特定グループ(肌の色や性別の集団)の精度が分かり、これにより性別や人種によるバイアスがあるかどうかを検証できる。
なぜこのタイミングでAlphabet責任者がPageからPichaiに代わるのか、シリコンバレーで様々な憶測が流れている。CNBCはPageの健康問題が要因との見方を示している。Pageは声帯に異常があり大きな声が出ないという障害があり、ビジネスの一線から退いたと説明している。New York Timeは、Pageは会社経営には関心がなく、革新技術を探求するために会社を去ったとの見解を示している。Recodeは、公開されていな重大な出来事が起こり、Pageがこの職をPichaiに移譲したと推測している。どのメディアも真相を把握できておらず、謎に満ちた交代となった。
量子コンピュータの基礎概念は1981年にRichard Feynmanが提唱した。当時、Feynmanはカリフォルニア工科大学の教授で、講座「Potentialities and Limitations of Computing
Machines (コンピュータの可能性と限界)」の中で量子コンピュータの概念を講義した。「自然界は量子力学に従って動いているので、それをシミュレーションするには量子コンピュータしかない」と説明し、量子コンピュータという構想を示した。
Googleは科学雑誌Natureに論文「Quantum supremacy using a programmable superconducting
processor」を掲載し、その内容を明らかにした。このベンチマークはGoogleの量子プロセッサ「Sycamore」(下の写真、プロセッサの外観)で実行された。Sycamoreは54Qubit構成のプロセッサで、ベンチマークでは53Qubitが使われ、量子ゲート(Quantum Gate)が構成された。
IBMはGoogleが論文を公表した二日前に、それに反論する論文を掲載した。これは「Leveraging Secondary Storage to Simulate Deep 54-qubit Sycamore Circuits」という表題で、Googleが達成したというQuantum Supremacyに異議を差し挟んでいる。Quantum Supremacyの定義の一つは「スパコン越え」であるとし、世界最速のスパコン「Summit」を使うと、この処理を2.5時間で実行できるというもの。Googleは計測したQubitの状態をRAM(主記憶)に格納して処理することを前提に、処理時間を1万時間と算定した。しかし、IBMはRAMだけでなくディスクも使い、最適化手法を導入することで2.5時間で処理できると算定した。(下のグラフ:GoogleがSycamoreで実行したタスクをSummitで実行したときの処理時間予測。縦軸が実行時間(日)で横軸がCircuit Depth(処理の繰り返し回数)。53Qubit構成(青色のグラフ)で繰り返し回数が20のポイントをみると2.5日となる。仮にフル構成のSycamore(54Qubit)でも、Summitで実行すると6日で計算できる。)ちなみにSummitはIBMが開発したスパコンでIBMはSummitでのタスク最適化技術を誰より熟知している。
出典: IBM
発表前に論文がリーク
IBMがGoogleの発表と同じタイミングで39ページに及ぶ詳細な論文を発表した背景には、Googleの論文が正式発表前にすでにウェブサイトに掲載されていたという背景がある。この論文は2019年8月に、NASA Ames Research Centerがウェブサイトに公開した。すぐにこの公開は停止されたが、この措置は手遅れで、読者がこの論文をRedditなどのサイトに掲載し、だれでも読める状態になっていた。このため、正式発表を待たず、市場ではGoogleのQuantum Supremacyについて評価が行われていた。