カテゴリー別アーカイブ: Google

Google「ナノ・バナナ」の衝撃!!米国メディア業界が激変、最新モデルGemini 2.5 Flashが画像を編集しフォトショップを置き換える

Googleは今週、イメージを編集するAIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」を公開した(下の写真、イメージ)。このモデルは“ナノ・バナナ(Nano Banana)”の愛称で呼ばれ、入力した写真をプロンプトに従って編集する機能を持つ。Adobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)の機能をAIモデルが代行するもので、言葉でイメージを編集でき、米国で爆発的に利用が広がっている。実際に使ってみると、プロのクリエーターではなく素人がエンタープライズ品質のクリエイティブを簡単に生成でき、AIイメージの中で最先端を走る製品であると実感する。

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash

ナノ・バナナの概要

“ナノ・バナナ”の機能はシンプルで、写真をアップロードし、これをプロンプト(言葉)で編集することができる。多くのAIモデルが同等の機能を搭載しているが、ナノ・バナナが決定的に異なるのは、入力した写真のイメージを忠実に保持することにある。写真に写っている人物の顔イメージを正確に記憶し、これを編集して出力する。結果はフォトショップで編集したように、入力イメージを正確に保持し、指示されたタスクをピンポイントで実行する。(下の写真、ジュリア・ロバーツの顔写真(左側)を芸術家(右側)に編集したもの、顔イメージが正確に再現されている。)

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash

ナノ・バナナの使い方

ナノ・バナナはGoogleのAIクラウド「Google AI Studio」で利用する。メディア生成のページで「Nano Banana」を選択する。このページでイメージ生成モデル「Imagen」やビデオ生成モデル「Veo」などを使うことができる。また、Geminiアプリからナノ・バナナを使うことができる。GoogleはGeminiシリーズでマルチモダルを基盤とする応用技術の開発を重点的に展開している。

出典: Google

コア機能1:イメージを編集

ナノ・バナナの基本機能はイメージを編集する機能で、入力した写真をプロンプトで編集することができる。テイラー・スウィフトの顔写真を入力し(上段)、「東京のファッションモデル」に編集するよう指示すると、渋谷の交差点でポーズをとるシーンが生成される(下段)。ナノ・バナナは顔イメージから全体像を生成し、背景に渋谷交差点のイメージを生成する。

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash

コア機能2:イメージのフュージョン

ナノ・バナナは二つの写真を合成して新たなイメージを生成する機能がある。トランプ大統領(左端)とゴールデンリトリバー(中央)の写真を入力し、「ホワイトハウスで大統領が犬を抱いているイメージ」を生成するよう指示すると、そのシーンが生成される(右端)。ナノ・バナナは著名人をフィルタリングすることなく、アルゴリズムが編集イメージを出力する。

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash

コア機能3:マルチステップ

ナノ・バナナは対話形式でイメージを編集していく機能がある。シャンゼリゼ通り(上段)をクリスマスのシーンに編集する際に、ステップごとにオブジェクトを追加することができる。最初のステップでクリスマス飾りをインポーズし、次の段階でサンタクロースのパレード(下段)を付加できる。企業などがアイディアをステップごとにブレーンストーミングし、最終モデルを生成するなどの使い方が想定される。

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash

コア機能4: イマジネーション

ナノ・バナナは入力したイメージをシードとし指示されたオブジェクトを生成する。桜の花の写真を入力し(上段)、「このデザインの着物を生成」するよう指示すると、桜の花をあしらった着物を生成する。「モデルがこの着物を着てニューヨークのタイムズスクエアを歩くイメージ」を指示すると、このシーンがリアルに生成される(下段)。

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash

ファウンデーションモデル

ナノ・バナナはファウンデーションモデル最新版「Google Gemini 2.5 Flash」をベースとするAIモデルとなる。Gemini 2.5 Flashはネイティブのマルチモダルで、イメージ(写真)とテキスト(プロンプト)を単一のニューラルネットワークで処理することができる。ナノ・バナナは世界のナレッジを有し、イメージやテキストのコンテクストを理解し、プロンプトの命令を正確にイメージに反映する。

イメージの一貫性

AIモデルでイメージを生成する際の最大の課題がオブジェクトの一貫性(Consistency)で、シーンが変わっても、オブジェクトの形状が変わらないことが最重要エレメントとなる。ナノ・バナナは、入力したイメージが変わることなく、その形状やシーンを忠実に再現する。女性の顔や背景のシーンが維持され、出力される画像に高精度に反映される(下の写真)。他のAIモデルでイメージを編集すると、入力した写真の顔が微妙に変形し、これがクリエイティブ作成の最大のネックとなっている。

出典: Google

イメージの一貫性を保つ技法

Gemini 2.5 Flashはこの一貫性を実現するために複数の手法を使っている。その一つが前述のマルチモダルで、テキストとイメージを単一のモデルで処理する。もう一つがイメージを編集する手法で、アルゴリズムは写真ではなくそれを圧縮したデータを対象とする。圧縮したデータは「Latent Space」と呼ばれ、入力したイメージを「Embedding(埋め込み)」という手法でベクトル化したものとなる。AIモデルは編集処理をこのLatent Spaceで実行し、オブジェクトは一貫性を保つことができる。(下の写真、入力した写真(左側)を様々なシーンに編集するが(右側)、顔イメージは異感性を保つ)

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Flash 

ウォーターマーク

ナノ・バナナは生成したイメージはAIで造られたものであることを示すためウォーターマーク(Watermark)を挿入する。生成されたイメージの右下にGeminiのロゴを表示する。また、イメージの中に人間の眼では識別できないデジタルなウォーターマークを挿入する。これはGoogle DeepMindが開発した「SynthID」という手法が使われ、生成したイメージの出典などのメタデータが添付される。ナノ・バナナで生成した画像は、人間の眼では真偽を判別することができないため、ウォーターマークが必須となる。

メディア業界が激変

専門家が高度なツールを使って広告などのコンテンツを生成してきたが、ナノ・バナナを使うことで、誰でもがクリエーターになれる時代となった。Adobe Photoshopを使うスキルが無くても、プロレベルのコンテンツを生成でき、メディア業界のビジネスモデルが大きく変わる。同時に、ソーシャルメディアにはAIで生成したイメージやビデオが大量にポストされ、所謂“フェイクイメージ”が日常生活の一部を構成する。消費者はフェイク時代を生き延びるためのノウハウを修得することが新たな課題となる。

Google AIビデオ「Veo 3」が米国で一大センセーション!!ビデオだけでなく音声や音楽を生成、AIで映画を製作できコンテンツ業界が激変

Googleはテキストからビデオを生成するAIモデルの最新版「Veo 3」をリリースした。Veo 3はビデオの品質が格段に向上したことに加え、会話や背景音や音楽を生成する機能が付加され、AIで完全なビデオを生成できるようになった。ビデオとサウンドが生成され、AIで映画を製作できる時代に突入した。実際に使ってみると、音楽を演奏するシーンは衝撃的で、楽器の演奏に合わせてクールなサウンドが生成される(下の写真)。ソーシャルメディアにVeo 3で生成したビデオが数多く掲載され、コンテンツ業界が激変する予兆を示している。

出典: VentureClef、ビデオのURL:https://photos.app.goo.gl/3Z5Yt4xY7nTv1M5f7

Veo 3の概要

GoogleはAIビデオの最新モデル「Veo 3」をリリースした。衝撃的にリアルなビデオを生成できソーシャルメディアで波紋を広げている。Veo 3は入力されたテキスト(プロンプト)とイメージに従って、ビデオを生成する機能を持つ。多くのAIビデオが市場に投入されているが、Veo 3はイメージだけでなくサウンドを生成する機能を持ち、ビデオ撮影したようにリアルな映像を生み出す。Veo 3は720pの画質で8秒間のビデオを生成する。

AIビデオの生成ツール

Googleは同時に、ビデオを生成するツール「Flow」をリリースした。Flowはプロ向けのAIビデオ制作フレームワークで、多彩な機能を搭載している。FlowはVeoの他に、Imegen(イメージ生成AIモデル)とGemini(言語モデル)とリンクし、AIモデルを組み合わせて高度なビデオを生成できる。Imegenで生成したイメージを元に、ここからビデオに生成する機能などがある。また、Gemini 2.5 Proを使いブラウザーのインターフェイスからビデオを作成するオプションもある。Gemini の「Videoボタン」を選択し、プロンプトを入力してビデオを生成する(下の写真)。

出典: VentureClef

Veo 3のシステム構成

Veo 3は三つのAIモデルを組み合わせた構造で、言語モデル「Gemini」が入力されたプロンプトを理解する。ビデオモデルがプロンプトに従って映像を生成し、オーディオモデルが映像に沿ったサウンドを付加する。ビデオモデルは「ディフュージョン(Diffusion)」というアーキテクチャに基づき、ランダムなノイズからこれらを除去する手法でクリアなイメージを生成する。

物理現象の理解と背景音

GoogleはVeo 3で生成したビデオを公開している。デリケートな鳥の羽が風で飛ばされて、蜘蛛の巣に引っ掛かる映像が示されている(下の写真)。軽い羽根が風に乗る物理現象を正確に描いている。また、AIモデルは情景を理解し、風の音などの背景音を自動で生成する。人間がプロンプトで背景サウンドを指示する必要は無く、AIがシーンを理解し自動で背景音を挿入する。

出典: Google、ビデオのURL:https://youtu.be/ODyROOW1dCo?t=1

スパイ映画のワンシーン

Veo 3は映画のシーンを生成する。込み合っている駅のプラットフォームで、スパイが機密情報の受け渡しを会話するシーンが描かれている(下の写真)。ここでは背景の騒音と二人の人物の会話が描写されている。背景の騒音はVeo 3が自動的に生成するが、会話の内容はプロンプトで設定できる。ハリウッドで制作される映画のクリップがVeo 3で生み出される。

出典: Google、ビデオのURL:https://youtu.be/ODyROOW1dCo?t=32 

バイオリンを演奏

Veo 3の衝撃は音楽の演奏をシンセサイズできることにある。バイオリンを演奏するシーンでは、楽器を操作する細やかな動作を忠実に再現し、それに同期して鮮明なサウンドを生成する(下の写真)。プロのバイオリニストのレベルの演奏をVeo 3で生成できる。実際にVeo 3を使ってみると、簡単に演奏のシーンを生成できる。「東京タワーの下でバンドがジャズを演奏」と指示するだけで、ピアノ、サキソフォン、ベース、ドラムが描き出され、クールな音楽が生成される(先頭の写真)。

出典: Google、ビデオのURL:https://youtu.be/ODyROOW1dCo?t=63

コマーシャルビデオを生成

Veo 3によりクリエイティブ産業が激変することになる。Veo 3は8秒間の短編ビデオを生成する機能を持ち、コマーシャルビデオの多くがVeo 3で生成されることになる。実際に、ビデオ制作の専門家は、Veo 3で生成したビデオを連結してコマーシャルビデオのプロトタイプを生成している(下の写真)。日常目にするコマーシャルビデオと全く遜色は無く、低価格で魅力的なビデオを生成できる時代となった。コンテンツ業界のビジネスプラクティスが根底から変わることになる。

出典: PJ Ace

フェイクビデオとその対策

Veo 3で生成した映像はカメラで撮影したビデオと全く見分けがつかない。業界はこの現象を「Singularity」と表現し、AIビデオとリアルビデオの境界が消滅したことを示している。高品質のフェイクニュースやフェイクビデオが大量に生成されることになり、消費者はコンテンツの真偽を判定するスキルをアップデートする必要がある。目に入る映像からはリアルとフェイクの判断は不可能で、多角的な視点から本物を見分ける技能が必須となる。ビデオ製作者や配布メディアやコンテンツの背後情報など、複数の要素を頼りに総合的な判断能力が求められる。(下の写真、偽のモーターショーから実況中継するビデオ)

出典: PJ Ace

Googleは人間の知能を超えるAIモデル・AGIの開発を加速、AGIは重大な危険性を内包し安全技術の開発を今から開始すべきと提唱

GoogleのAI研究所「Google DeepMind」は人間の知能を超えるAIモデル「Artificial General Intelligence (AGI)」の研究開発を加速している。AGIの登場が目前に迫るとの認識を示し、Googleはその危険性を特定し、リスクを低減するための枠組みを発表した。AGIの定義や出荷時期で多様な解釈が混在するなか、GoogleはAGIを安全に開発運用するための準備を開始すべきとのポジションを取る。

出典: Generated with Google Imagen 3

GoogleのAGI開発

GoogleはAGIについて公式な見解は発表していないが、開発を加速させ業界の先頭を走っている。Googleはモデルの開発と共に安全性の研究を進め、責任あるAGI開発を実行している。GoogleはAGIのリスクを査定し、これを低減するための研究成果を公開した。AGIについて共通の理解は確定していないが、GoogleはAGIを知的なタスクを実行する際に、人間レベルの知能を持つAIシステムと定義する。また、開発時期についても様々な予測があるが、GoogleはAGIは数年以内に登場すると考える。

AGIの潜在能力

AGIは人間レベルの知的タスクを実行するスキルを持ち、AIエージェントのように稼働する。AGIは知的機能として、理解能力、推論機能、計画機能、自律的に稼働する機能を備える。応用技術の観点からは、AGIは新薬開発、地球温暖化対策、医療、教育などの分野で活躍が期待される。特に、医療分野では病気の診断で、また、教育分野では個人向けチューターとして応用される。

AGIの危険性

GoogleはAGIを安全に開発運用するために、その危険性を特定し、このリスクを低減するための技術を開発するアプローチを取る。実際に、GoogleはAGIの危険性を分析し、そのリスクを四つのタイプに纏めた(下の写真)。これらは:

  • Misuse:AGIが悪用されるリスク、AIシステムで危害を与える情報を生成するなど
  • Misalignment:AGIが設計仕様通り稼働しないリスク、AIシステムが設計者を欺くなどの危険性
  • Mistakes:AGIが危害を与えていることを認識できないリスク
  • Structural RisksマルチAGIにより危害が発生するリスク

これら四つのリスクの中で「Misuse」と「Misalignment」が重大な被害をもたらすとしている。

出典: Google

Misuse:AGIが悪用されるリスク

「Misuse」はAGIが悪用されるリスクで、悪意ある団体がAGIを使って社会に危害をもたらす情報を生成する危険性を示す。AGIで有害なコンテンツを生成し、また、AGIをサイバー攻撃に適用するなどのリスクがある。特に、ハッカー集団や敵対国がAGIを悪用し、社会インフラをサイバー攻撃し、危害をもたらすケースが警戒されている。

Misalignment:AGIが設計仕様通り稼働しないリスク

「Misalignment」は、AIシステムが意図的に開発者の設計目的に反し、危害をもたらすケースとなる。これはAIシステムが開発者を欺くケースで、AGIは間違った情報を意図的に生成するなどの危険性がある。具体的には、AGIは開発者を騙し、人間の管理を逸脱し、AIシステムが独自の判断で処理を実行するリスクを抱えている。

Mistakes:AGIが危害を与えていることを認識できないリスク

「Mistakes」は、AIシステムは断片的に間違った情報を出力するが、AIシステムはこれが危害を及ぼすとは認識していないケースを指す。例えば、AIエージェントが電力配信網を管理する際に、電線の保守作業が必要なことを理解していないため、電力網に過大な負荷がかかり、停電になるケースなど。

Structural Risks:マルチAGIにより危害が発生するリスク

「Structural Risks」とは、複数のエージェント・マルチAGIを運用するシステムに関するリスクで、個々のAIシステムは正しく稼働するが、システム全体で問題が発生するリスクを指す。複数の関係者や組織やAIシステムが関与し、単一のAIシステムを修正しても問題が解決しない危険性を含む。

AGIが悪用されるリスクを低減する手法

AIシステムが敵対国などで悪用されるリスクを低減するためには、モデルの教育やモデルの運用で包括的な対策が必要となる(下の写真)。AIモデルの教育では、セキュリティ機能を強化し、有害な情報を出力する機能を抑制する。また、AIモデルの運用では、プロンプトに対するレスポンスを監視し、モデルの悪用を検知する。更に、「Red Teaming」の手法でモデルの危険性を探索し、問題点を修正する。

出典: Google

AGIが設計仕様通り稼働しないリスクを低減する手法

AIシステムが開発者を欺いて危険な挙動をすることを抑止するためには、教育プロセスを強化する必要がある(下の写真)。モデルが規定通り稼働するよう、実行時の挙動の監視を強化し、それをアルゴリズムに反映する。更に、モデル運用のプロセスで、プロンプトに対するレスポンスを監視し、規定に反する挙動を把握し、モデルを修正する。教育が終了した後も、運用のプロセスでモデルの挙動のモニターを継続する。

出典: Google

責任あるAGI開発

研究成果はAGIの安全性に関する技術的な評価で、AIガバナンスなど組織や体制に関する考察は含んでいない。また、見通せない未来のリスクなどについても言及していない。特に、人間の知能を遥かに超えるAIシステム「Artificial Super Intelligence (ASI)」に関する評価はスコープの範囲外としている。AGIはシステム構成や機能などに関し共通の理解は確立されておらず不確定な要素が多いが、GoogleはAGIの安全技術に関する研究開発を今から起動し、将来に備えるべきと主張する。

Googleは最もインテリジェントなモデル「Gemini 2.5」を公開、推論機能が 強化され業界トップの性能をマーク、中国企業を大きく引き離す

Googleは最新モデル「Gemini 2.5」をリリースし、ベンチマークテストで二位に大きく差を付け、業界トップとなった。GoogleはGemini 2.5を最もインテリジェントなモデルと呼び、推論機能が強化され、プログラミングや複雑なタスクの実行で実力を発揮する。Gemini 2.5はDeepSeek R1の性能を大きく上回り、米国企業が再び実力を示した。

出典: Generated with Google ImageFX

推考モデル

Gemini 2.5はGoogle DeepMindが開発した最新モデルで、推論機能が強化され、最もインテリジェントなモデルとなった。Google DeepMindはGemini 2.5を「Thinking Model(推考モデル)」と呼び、推考を重ね複雑な問題を解く構造となる。プログラミング機能が高く、複雑なコードをエラー無く生成することができる。

主要機能と開発手法

Gemini 2.5は高度な推論機能を持ち、情報を解析し、論理的な帰結を導き、情報に基づく意思決定を行う。Googleは推論機能の開発で、強化学習「Reinforcement Learning」や思考連鎖「Chain-of-Thoughts」の手法を用いてきた。この結果が前世代モデル「Gemini 2.0 Flash Thinking」に反映された。Gemini 2.5はこれをベースにポスト教育で機能が強化され、インテリジェンスが大きく向上した。

ベンチマーク結果

Googleはこのモデルを「Gemini 2.5 Pro Experimental」として製品化しこれを公開した。また、GoogleはGemini 2.5 Proのベンチマーク結果示し、高い性能をマークしたことをアピールした(下のグラフ)。これによると、Gemini 2.5 Proはコーディング、数学、科学など、推論機能が問われるタスクで高度な成績を示した。Gemini 2.5 Proの対抗機種はOpenAI 03-miniであるが、ほぼすべての項目で性能が上回った。また、DeepSeek R1に対しては全ての項目で性能が大きく上回った。

出典: Generated with Google Gemini 2.5 Pro

利用環境

Gemini 2.5 ProをGoogleのAIスタジオ「Google AI Studio」で利用することができる(下の写真)。Google AI Studioは最新モデルGemini 2.5の他に、Gemini 2.0やGemini 1.5などを提供している。また、GoogleのオープンソースモデルGemma 3とGemma 2を使うことができる。AI StudioはAIモデルのサンドボックスで、ここでモデルを試験し、機能や性能を検証することができる。またGoogleは、AIクラウド「Vertex AI」でGemini 2.5を近日中に提供するとしている。

出典: Google

プログラミング性能

実際にGemini 2.5 Proを使ってみるとプログラミングの機能が極めて高いことが分かる。プログラムを作成するにあたり、コーディングする必要は無く、Gemini 2.5 Proに言葉で指示するだけでコードを生成できる。例えば、人気ゲーム「テトリス」をJavaScriptでコーディングするよう指示すると、Gemini 2.5 Proはコードを生成し、その機能や使い方を説明する(上の写真)。生成されたコードを何も修正することなく、そのままJavaScript開発環境「p5.js」で実行することができる(下の写真)。

出典: p5.js

ソフトウェア開発機能

Gemini 2.5 Proはソフトウェア開発における強力なツールとなり、ウェブアプリケーションやAIエージェントの開発で威力を発揮する。Gemini 2.5 Proはグラフィカルなインターフェイスのプログラムを得意とし、ウェブサイトやウェブゲームの開発で使われる(下の写真、Gemini 2.5 Proで簡単にインタラクティブなグラフを生成できる)。また、AIエージェントの開発が急速に進んでおり、Gemini 2.5 Proは人間に代わり複雑なプログラミングを実行する。Gemini 2.5 Proは実社会のエンジニアリングで役に立つモデルとして設計された。

出典: Google

コーディングの品質

Gemini 2.5 Proを使うと、最低限のプログラミングのスキルで、コードを生成できる。プロンプトにプログラムの概要や使用する言語を入力するだけで、Gemini 2.5はコードを出力する。多くの推論モデルがコーディング機能を備えているが、Gemini 2.5の機能が最も洗練されているように感じる。Gemini 2.5はワンショットでエラーの無い高品質なコードを生成する。

バイブコーディング

言葉だけでAIモデルを使ってコーディングする手法は「バイブコーディング(Vibe Cording)」と呼ばれ話題となっている。いま、必要なプログラム言語は「Python」ではなく「英語(普通の言葉)」であるといわれている。コンピュータの知識が無くてもプログラミングできる時代が到来したとも言われている。しかし、実際にGemini 2.5 Proなどを使って言葉でコーディングしてみると、コードは自動で生成されるが、それを編集し運用するためには、それなりのスキルが求められる。コードの位置づけや、開発環境、実行環境など、プログラミングに関する基礎知識が必須となる。バイブコーディングはトレンディなコンセプトであるが、企業のプログラム開発で使うことができるのか、実社会でのベンチマークが必要となる。

キラーアプリはAIエージェント!!Googleは生成AI最新モデル「Gemini 2.0」とAIエージェント「Astra」と「Mariner」を投入

Googleは生成AIモデルの最新版「Gemini 2.0」をリリースした。Gemini 2.0は高性能なモデルであることに加え、AIエージェントを構成するための基礎技術となる。AIエージェントとは知的なAIモデルで、複雑なタスクを自律的に実行し、人間の作業を代行する存在となる。Googleは人間のように自立的に行動するAIエージェントの研究開発を重点的に進めており、この技術を人間レベルのインテリジェンスを持つAGI(Artificial General Intelligence)に拡張するとのビジョンを示した。

出典: Google

Gemini 2.0の概要

Gemini 2.0はシリーズの最新モデルで、性能が向上したことに加え、マルチモダル機能が強化された。オーディオやイメージやビデオを読み込むことができるだけでなく、これらを生成する機能が付加された。また、Gemini 2.0は検索エンジン(Google Search)やマップ(Google Maps)を操作することができ、人間のようにツールを使う機能が実装された。

Gemini 2.0 Flashを投入

今回の発表では「Gemini 2.0 Flash」が公開され、一般に利用することができるようになった。開発者はクラウド「Google Vertex AI」からAPI経由でこれを利用する。また、ブラウザーからは「2.0 Flush Experimental」として対話形式で利用できる(下の写真)。これは正式版の前のプレビュー版であるが最新機能を体験できる。

出典: Google

Gemini 2.0 Flashの特性

Gemini 2.0 Flashは軽量モデルで、高速で稼働することに加え、マルチモダル機能が強化された。Flashは処理速度が速く、リアルタイムでの反応が要求されるアプリケーションで利用される。その代表がAIエージェントで、Flashはマルチモダルを読み込み、これを高速で処理することで、リアルタイムでの会話が可能となった。また、基本性能が大きく向上し、ハイエンドモデルである「Gemini 1.5 Pro」を上回り、Geminiシリーズの最高速モデルとなった(下の写真)。

出典: Google

AIエージェント汎用モデル:Project Astra

GoogleはAIエージェントの汎用モデル「Project Astra」の最新版を公開した。Project Astraはスマートフォンに搭載されるAIエージェントで、カメラが撮影するビデオを入力とし、質問に会話形式で回答する。屋内や屋外で、スマホのカメラで撮影した映像についての質問にリアルタイムで回答する。公園に設置されている建造物について、「これは何か」と問いかけると、AIエージェントは「Eve Rothchildが制作した「My World and Your World」という作品である」と回答する(下の写真)。AIエージェントは入力されたビデオを瞬時に解析し、自然な対話で回答する。

出典: Google

AIエージェント専用モデル:Project Mariner

Googleは特定のタスクに特化した機能を持つAIエージェント「Project Mariner」を公開した。Project MarinerはChromeブラウザーの拡張機能(Extension)として実装され、ウェブサイトで指示されたタスクを実行する。例えば、「Google Arts and Culture」のサイトでカラフルな絵を見つけるよう指示すると、AIエージェントはこのサイトにアクセスし、タスクを実行する。更に、Eコマースサイト「Etsy」でカラフルな絵の具を購買するように指示すると、それを実行し、商品を購入バスケットに入れる(下の写真)。但し、支払い処理のプロセスでは、人間の判断を仰ぎ、利用者が最終判断を下す。

出典: Google

ウェアラブル向け基本ソフト:Android XR

Googleはウェアラブル向けの基本ソフト「Android XR」を発表した。これはヘッドセットやスマートグラス向けの基本ソフトで、ARやVRを融合したXR(Extended Reality)のプラットフォームとなる。Android XRにGemini 2.0が組み込まれ、これをXRグラスに搭載することで、ウェアラブルでAIエージェントを利用できる構造となる。GoogleはQualcomm及びSamsungと共同で開発し、Android XRはパートナー企業が開発するXRグラスに搭載される。また、Googleも独自のXRグラスを開発しており、AIエージェントが日常生活における秘書の役割を担う。市街地でレストランの場所を尋ねると、AIエージェントがXRグラスに道順やレストランの情報を表示し、目的地までナビゲーションする(下の写真)。

出典: Google

AIエージェントの時代に

生成AIはインテリジェンスを提供するプラットフォームで、この基盤で様々なアプリケーションが開発されている。その中で、人間に代わり作業を代行するAIエージェントに注目が集まっている。AIエージェントは従来のソフトウェアと異なり、人間が介在することなく自律的に業務を実行し、企業のビジネスプロセスを高度に自動化すると期待されている。Googleの他に、OpenAIやMetaがAIエージェントの開発を重点的に進めており、2025年は多彩なモデルが投入されることになる。