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Googleは監視カメラ最新モデルを発表、カメラにAIチップを搭載し検知精度が向上、エッジAIへの流れが加速

Googleは監視カメラ「Nest Cam」とドアベル「Nest Doorbell」の最新モデルを発表した。カメラはAIチップを搭載し、画像解析処理をデバイス上で実行する。クラウドを介すことなく、デバイス上で機械学習を実行でき、高精度で不審者などのオブジェクトを検知する。Googleはスマホ最新モデルPixel 6に続き、スマートホーム製品でもエッジAIを採用し、デバイスのAI処理性能を大幅に向上した。

出典: Google

Nest CamとNest Doorbell

Googleはスマートホーム製品を「Nest」のブランドで提供しており、監視カメラ「Nest Cam」とドアベル「Nest Doorbell」の最新モデルを開発した。Nest Camは二機種あり、屋外・屋内モデル(上の写真、右端)と屋内モデル(中央)で、前者はバッテリーで稼働する。ドアベル(左側)もバッテリーで稼働し、配線は不要で簡単に設置できることが特徴となる。デザインも一新され、シンプルで背景に調和する色調や形状となった。

監視カメラ

Nest CamとNest Doorbellはカメラが捉えた映像をAIで解析してイベントを検知する構成となる。Nest Camは家屋の外壁などに取り付けて利用する(下の写真右側)。Nest CamのAIはオブジェクトの種別を判定し、人や動物やクルマを検知すると(左側)、それをアラートとして利用者のスマホに送信する(中央)。外出先からでも自宅のセキュリティを確認することができる。

出典: Google  

ドアベル

Nest Doorbellはドアベルであるがカメラを搭載しており、監視カメラとして機能する(下の写真中央)。Nest Doorbellは人の動きを検知し、訪問者があると、それをアラートとして利用者のスマホに送信する(左側)。利用者はアプリで訪問者を確認し、マイクボタンを押すとそのまま会話することができる。また、オンラインショッピングで商品が配送されるとそれを認識し(右側)、利用者に通知する。

出典: Google  

AIスピーカーとの連携

Googleは監視カメラやドアベルをスマートホームの主要製品と位置付け、AIスピーカーとの連携を強化している。米国の家庭でAIスピーカーの導入が進んでいるが、Googleは「Nest Mini」(下の写真左端)や「Nest Hub」(右端)を提供している。Nest Hubはディスプレイを搭載したAIスピーカーで、監視カメラやドアベルがイベントを検知すると、カメラの映像がストリーミングされる。訪問者をディスプレイで確認してドアを開けるなどの応対ができる。

出典: Google  

Tensorチップ

Nest CamとNest DoorbellはAIチップ「Tensor Processor(TPU)」を搭載しており、カメラの映像をデバイス上で解析する。従来はカメラの映像をクラウドに送付して解析していたが、これをデバイス上で処理することで性能アップを達成した。具体的には、Nest CamとNest Doorbellは現行製品と比較して、二倍のピクセルとフレームを処理することができ、判定精度が大きく向上した。GoogleはエッジAIの開発を進め、先週発表されたPixel 6に続き、NestでもAIチップをデバイスに搭載する構成を取る。GoogleはIoTデバイス向けのAIチップを「Edge TPU」として販売している(下の写真)。

出典: Google  

実際に使ってみてみると

実際に、Nest Doorbellの現行モデルを使っているが、玄関先のセキュリティが強化され、安心感が大幅に向上した。使い方はシンプルで、スマホアプリ「Nest」からドアベルが捉えた玄関先のビデオを見ることができる(下の写真左端)。また、来客があると、アラートをスマホで受信する。更に、商品が宅配されたとき、AIはそのイベントを把握し、スマホにメッセージを送信する(中央最上段)。玄関先に置かれた商品を手早く取り上げることで盗難被害を防ぐことができる。

出典: VentureClef  

クラウドに映像を記録

撮影されたビデオはクラウド「Nest Aware」に記録され、これを検索することで特定のイベント(商品配送など)を再生できる(上の写真右端)。一方、木の陰などをイベントとして捉え、アラートを受け取ることがあり、判定精度が課題であるとも感じる。最新モデルはAIチップが搭載され、画像解析の判定精度が上がり、誤検知が減ると期待される。

AIドアベルが人気商品

いま米国でAI監視カメラの導入が進んでいる。特に、AIドアベルの人気が高く、多くの家庭がセキュリティ強化のために設置している。Googleからは上述のNest Doorbellが出荷されている。また、Amazonからは「Ring Doorbell」が提供され、両者が人気商品で市場を二分している。これらは、宅配商品の盗難を防ぐために、また、自宅前のイベントを監視するために使われている。GoogleはドアベルのAI性能を向上することでAmazonとの差別化を図っている。

Googleはスマホ最新モデル「Pixel 6」を発表、自社開発プロセッサ「Tensor SoC」を搭載し超高速AIマシンに進化

Googleは8月2日、スマホ最新モデル「Pixel 6」を発表した(下の写真)。Googleは独自でスマホ向けプロセッサ「Tensor SoC」開発した。名称が示している通り、これはAI処理に特化したプロセッサで、スマホはAIマシンに進化した。Googleはスマホ向けに様々なAIシステムを開発してきたがプロセッサ性能が限界に達し、今回、独自にプロセッサを開発し、性能を大幅にアップグレードした。

出典: Google

Pixel 6の概要

このシリーズは「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」の二つのモデルから成り、今年の秋から出荷が始まる。製品価格やハードウェア仕様など詳細情報は公表されていない。発表のポイントは高速AIプロセッサで、Googleはスマホの機能をAIで拡充する戦略を取る。これにより、AIがカメラの性能を大幅に機能アップする。また、AIがリアルタイムの通訳となり、異なる言語で会話できる。更に、最新の基本ソフト「Android 12」を搭載し、カラーデザインが洗練されユーザインターフェイスが大幅に改善された。

スマホ向けプロセッサ

Googleはスマホ向けのプロセッサ「Tensor SoC」(下の写真)を独自で開発した。SoCとは「System on a Chip」の略で基本ソフトを稼働させるメインのプロセッサとなる。今までGoogleは半導体企業QualcommからSoC (Snapdragon)を調達してきたが、Pixel 6向けにはこれを独自で開発した。Tensorという名称が示すように、AI処理に重点を置いたプロセッサ構成となる。一方、SoCを構成するユニットとして、CPU、GPU、5G Modemなどがあるが、Googleはこれらを独自で開発したのかどうかについては公表していない。(米国メディアはSoCのベースをSamsungからライセンスを受け、GoogleはAIプロセッサの部分を開発したと推測している。)

出典: Google  

カメラと画像処理

Googleはカメラで撮影したデータをAIで処理して写真やビデオを生成する手法を取る。これは「Computational Photography」と呼ばれ、カメラのセンサーが捉えたイメージをAIで解析しダイナミックレンジの広い画像「HDR」を生成する。また、暗闇の中でもフラッシュや三脚を使わないで鮮明な写真を生成する技術「Night Sight」を開発してきた。このプロセスで大規模なAI計算が発生し、これをTensor SoCが担う。また、Pixel 6ではカメラと関連センサーは本体に収まらず、帯状のデバイス「Camara Bar」に格納される(先頭の写真、黒色の長方形の部分)。

言語処理

AI機能のもう一つの柱は言語処理で言語モデルが言葉を理解してユーザとのインターフェイスとなる。「Google Assistant」が人間の秘書のように言葉を理解してタスクを実行する。また、AIアプリ「Recorder」は録音した言葉をテキストに変換する機能を持つ(下の写真)。会議での発言を録音し(左端)、Recorderがそれをテキストに変換し(中央)、議事録を作成する。後日、議事録を検索して特定の発言を見つけることができる(右端)。Pixel 6はこれをもう一歩すすめ、同時通訳機能が登場した。Pixel 6のTensor SoCで翻訳プロセスが実行され、クラウドを経ることなく、デバイス上でリアルタイムに実行される。

出典: Google  

Material You

Googleは開発者会議Google I/Oで基本ソフトの最新モデル「Android 12」と新たなデザインコンセプト「Material You」(下の写真)を発表した。Android 12はMaterial Youを搭載する最初の基本ソフトでPixel 6でこれを製品として提供する。Material Youは色をベースとしたシンプルなデザインで、機能性と個人の個性を追求したインターフェイスとなる。

出典: Google  

Material Youを使ってみると

既に、Android 12のベータ版が公開されており、Material Youを使うことができる(下の写真)。Material Youでは基本色調「Basic Color」を設定すると画面のコンポーネントがその色となる。例えば、基本色調をブルーに設定すると(左端)、画面のボタンやアイコンの色がブルーに (中央)なる。また、ブラウンに設定するとその色を基調としたデザインとなる(右端)。更に、Material Youではボタンの形状が丸みを帯び、サイズも大きくなり、優しいイメージに進化した。Pixel 4でAndroid 12のMaterial Youを使っているが、タッチしやすく温かみを感じるインターフェイスとなった。

   

出典: VentureClef  

スマホハイエンド市場への挑戦

Googleは2016年10月、Pixelを発表しスマホ事業に参入し、Pixel 6は第六世代のモデルとなる。Pixelシリーズは一貫してAIでスマホを構成する戦略を取り、Googleのコア技術である画像解析と言語モデルをスマホに応用してきた。Google PixelのカメラはAIで構成され、世界でトップレベルの高品質な画像を生成してきた。しかし、近年ではApple iPhoneの機能アップが著しく、Pixelはスマホ競争から取り残されている。Pixel 6はプロセッサを大幅にアップグレードし、再び、ハイエンド市場でシェア拡大を狙っている。

Googleが産業用ロボット市場に進出、高度なAIでロボットのソフトウェアを開発、日本企業との競争が始まる

Googleの親会社であるAlphabetは産業用ロボットを開発するため独立会社「Intrinsic」を創設した。ロボットはムーンショット工場「Alphabet X」で開発されてきたが、ここを卒業し独立企業として製品化を目指す。Intrinsicはロボットの頭脳となるソフトウェアを開発する。日本企業は産業用ロボットで大きなシェアを占めているが、ここでGoogleとの競争が始まることになる。

出典: Intrinsic

Intrinsicの概要

Intrinsicは産業用ロボット(Industrial Robotics)のソフトウェアを開発する。ロボット本体のハードウェアではなく、その頭脳となるソフトウェアを開発する。産業用ロボットとは製造工場で組み立て作業などを行うロボットで、ソーラーパネルや自動車の製造ラインで使われる。つまり、Intrinsicは家庭向けのヒューマノイドではなく、製造ライン向けにロボットアームを稼働させるソフトウェアを開発する。

産業用ロボットを開発する理由

Intrinsicが産業用ロボットを開発する理由は製造業を中国から米国や欧州などの先進国に戻すためである。国際経済フォーラムによると、現在、全世界の製造量の70%を10の国が担っている(下のグラフィックス)。特に、中国はその28.4%を占め、世界の工場として稼働している。Intrinsicが開発するロボットを使えば、どこにでも簡単に製造ラインを構築できる。各国が自国に製造施設を持つことができ、新たなビジネスが生まれる。更に、消費地に近い場所で製造することで、製品を輸送する距離が短縮され、地球温暖化ガスの削減につながる。特に、米国は自国に製造業を呼び戻す政策を進めているが、2030年までに作業員が210万人不足すると予想され、これを産業用ロボットで補完する。

出典: Statista  

現行の産業用ロボットの限界

現在、家電製品や自動車の製造で産業用ロボットが使われているが、そのテクノロジーは旧態依然のままであり、これがロボットの普及を妨げている。産業用ロボットのソフトウェアは特定のタスクを実行するために書かれている。これはハードコーディングと呼ばれ、例えば、部品の溶接ではそれ専用にコーディングする。また、パネルを接着してケースを作るには、そのタスクに特化したコーディングをする。このため、タスクごとにソフトウェアを開発することになり、多数のエンジニアを必要とし、完成するまでに時間を要す。

Intrinsicのアプローチ

これに対し、Intrinsicは高度なAIを使いインテリジェントな産業用ロボットを開発する戦略を取る。チームは数年にわたり、産業用ロボットの視覚機能、学習能力、補正能力などを開発してきた。具体的には、オブジェクト認識技術(Perception)、深層学習(Deep Learning)、強化学習(Reinforcement Learning)など最新のAI技法を開発し、幅広いタスクを実行できる産業用ロボットを目指している。

出典: Intrinsic  

プロトタイプの検証

Intrinsicはこれらの機能を実装したプロトタイプを制作しその機能を検証した。ロボットは深層学習とフォース制御機能を搭載することで、異なる形状のUSB端子を正しい場所に最適な力で挿入することができる(上の写真)。開発に要した時間は2時間で、短時間で複雑な操作ができるロボットの開発に成功した。また、視覚機能や計画機能を搭載することで、二台のロボットが共同で家具のパネルを組み立てることができる(下の写真)。

出典: Intrinsic  

更に、ロボットが協調して木造家屋を組み立てることができる(下の写真)。これはチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)のGramazio Kohler Researchで実施されたもので、四台のロボットが協調して家屋のパネルを組み立て接着剤で固定する。製造現場では多様なタスクを実行する必要があるが、プロトタイプは短時間で開発され、ロボットが汎用的な作業ができる目途がついたとしている。

出典: Gramazio Kohler Research, ETH Zurich

ムーンショットを卒業

チームはムーンショット工場「Alphabet X」(下の写真)で5年半にわたり、プロトタイプの開発を進めてきたが、これからはIntrinsicで産業用ロボットの商用化を目指す。対象分野は家電産業や自動車製造やヘルスケアで、パートナー企業と商用モデルを開発する。

出典: VentureClef  

ロボット開発の歴史

Googleのロボット開発は2013年に始まり、Boston Dynamicsなど6社を相次いで買収した。この中には日本企業Schaftも含まれていた。ロボット開発プロジェクトは「Replicant」と呼ばれ、Androidの生みの親Andy Rubinの下で進められた。しかし、プロジェクトで目立った成果は無く、GoogleはReplicantを中止した。

ロボット開発を再開

その後、Googleはソフトウェアに重点を移し、ロボット開発を再開した。コア技術であるAIを駆使しインテリジェントなロボット開発を進めてきた。その最初の成果が「Everyday Robots」で、家庭やオフィスで日々のタスクを実行するロボットを発表した。この開発ラインから分岐し、Intrinsicは産業用ロボットを開発する。産業用ロボット市場では多くの企業から製品が投入されており、これから日本企業など先行企業との競争が始まることになる。

Googleの次のコア事業はAIヘルスケア、ビジョンAIで病気診断のプロセスを自動化

Googleはヘルスケア部門「Google Health」を設立し、医療技術開発をここに集約した。Google Healthは医療とAIを組み合わせ、高度なソリューションを開発している。Googleは次のコアビジネスとしてヘルスケアを選び、事業を大規模に展開しようとしている。

出典: Google

Google Healthとは

開発者会議Google I/OでChief Health OfficeのKaren DeSalvoがGoogle Healthの最新技術を公表した(上の写真)。Google Healthはグループ内に散在していたヘルスケア部門を統合して設立された。Google Healthはコア技術であるAIを医療技術と融合し、インテリジェントな医療システムを開発する。特に、ビジョンAIでメディカルイメージングを解析することで、病院の医療プロセスを自動化する戦略を取る。

乳がん検査を自動化

その一つが乳がん検査の自動化で、ビジョンAIががんを検知し医師の負荷を軽減する。Googleはシカゴの医療機関Northwestern Medicineと乳がんを判定するシステムの臨床試験を進めている(下の写真)。マンモグラフィー(Mammography)で撮影したイメージングから、医師が乳がんを判定するが、判定結果がでるまには時間を要す。この期間、患者は不安な日々を過ごすことになる。GoogleはこのプロセスをビジョンAIで実施し、解析時間を大幅に短縮することに成功した。

出典: Google

検知システムの概要

Googleが開発したビジョンAIは医師と同程度の判定精度を持ち、メディカルイメージングからがんを特定する。AIががんを検知すると医師にアラートが送信され、追加検査など必要な措置が取られる。これにより、患者は検査結果を即時に知ることができ、精神的な負担が大きく軽減する。また、AIが医師を置き換えるのではなく、医療ツールとして機能し、最終判定は医師が下す。

眼底検査を自動化

Googleは眼底の写真をAIで解析することで、糖尿病網膜症(Diabetic Retinopathy)や糖尿病黄斑浮腫(Diabetic Macular Edema)を特定することに成功した。これらは失明の原因となるが、早期に検知することでこれを防ぐことができる。AIは眼底の写真を解析し、出血を示す赤い斑点から糖尿病網膜症を判定する(下の写真左側;正常な眼底、右側;AIは糖尿病網膜症と判定)。

出典: Lily Peng et al.

インドで臨床試験

インドでは眼科医が少なく患者の多くが、糖尿病が原因で失明に至っている。この判定をAIで実施することで、多くの人が眼底検査を受けることができる。このアルゴリズムはGoogleとVerilyで開発され、インドのAravind Eye Hospitalで試験が実施された(下の写真)。患者は特殊なカメラ(Fundus Camera)で眼底の写真を撮影し、AIはイメージングから糖尿病網膜症と糖尿病黄斑浮腫を自動で検出する。

出典: Google

皮膚がんを検知

GoogleはビジョンAIを使って皮膚の状態を検査する技術を開発した。世界で20億人が皮膚や髪や爪に関する問題を抱えているが、皮膚科の医師の数は十分でない。多くの人がGoogleの検索エンジンで医学文献を探し、自分の皮膚の状態を調べている。しかし、文献を読み下すのは容易ではなく、Googleは皮膚病を判定するツールを開発した。

スマホアプリとして実装

これはスマホアプリとして提供され、皮膚の黒点を撮影し、AIはそれががんであるかどうかを判定する。被験者はスマホカメラで患部を撮影し(下の写真左側)、身体情報(年齢や性別や幹部の位置など)を入力し(中央)、これらをアップロードする。AIは写真イメージから、黒点ががんかどうかを判定する(右側)。皮膚がんの種類は288に及ぶが、AIはこれを正確に判定する。これは消費者向けのアプリとして提供され、問題があれば医師に相談する手順となる。

出典: Google

消費者向けヘルスケア技術開発

一方、消費者向けのヘルスケア技術はFitbit部門で開発している。Googleは人気のウエアラブルFitbitの買収を完了し、スマートウォッチなどの開発を進めている。スマートウォッチは運動量や心拍数など身体データを収集し、これをAIで解析することで健康管理に関する知見を得ることができる。Fitbitはハードウェア部門Nestに属し、ここで消費者向けのヘルスケア技術を開発している。スマートウォッチはバイオセンサーとして機能し、Apple Watchを中心に、消費者向け健康管理のウエアラブルとして市場が急拡大している。

Googleは小売店舗をニューヨークにオープン、ハードウェア事業を拡充する戦略に舵を切る

Googleは先週、ニューヨークに小売店舗「Google Store」をオープンした(下の写真)。これはオンライン店舗ではなく街中のストアーで、Googleが提供している情報家電製品を販売する。ここがショールームとなり、製品を手に取って体験することができる。米国においては、Googleは多種類のハードウェア製品を販売しており、それを統合的にアピールする狙いもある。GoogleはFitbitの買収を完了し、これから本格的にウェアラブル事業を展開する体制が整った。

出典: Google

Google Storeの概要

Google Storeはニューヨーク・チェルシーに開設され、本社ビルの一階を店舗にした構造となっている。お洒落な街並みの中のストアーで、はす向かいにはApple Storeがある。Google Storeはスマホ、スマートホーム家電、スマートウォッチ、ノートブックなどを取りそろえている。製品を買う前にこれらの製品を手に取って試してみることができる(下の写真)。また、オンラインストアーで購入した製品を受ける場所ともなる。

出典: Google

製品ラインアップ

Googleは多種類のハードウェア製品を販売しており、店舗は総合展示場としての役割を担っている。スマホは「Pixel」の名称で販売されている。スマートホーム製品は「Nest」ブランドに統合され、ここで、AIスピーカー「Nest Audio」、「Nest Mini」、「Nest Hub」を提供する。このほかに、ストリーミング機器「Chromecast」、ネットワーク機器「Nest Wifi」、AI監視カメラ「Nest Cam」などを販売している。更に、スマートウォッチは「Fitbit Sense」や「Fitbit Luxe」などを取り揃えている。(下の写真、Google Storeで販売している製品を展示)

出典: Google

Sandboxでベンチマーク

店舗内に設けられた部屋で製品を体験することができる。これは「Sandbox」と呼ばれ、実社会を模した空間で製品の機能や性能をベンチマークできる。スマートホーム製品を体験する部屋は「Nest Sandbox」と呼ばれ、AIスピーカーに語り掛けてスマートライトなどを操作することができる(下の写真左側)。スマホの体験室は「Pixel Sandbox」と呼ばれ、暗い環境で高品質な写真を撮影するなどカメラの性能を試験できる(下の写真右側)。

出典: Google

講習会スペース

店舗内にはワークショップ会場が儲けられている(下の写真左側)。ここで、製品の使い方の講習会が開催される。NestのAIスピーカーを使った料理教室やPixelを使った写真教室などが開催される。また、専任スタッフが質問に答え、製品をオンサイトで修理するサービスもある(下の写真右側)。

出典: Google

持続可能性がコンセプト

Google Storeのコンセプトは持続可能(Sustainability)で、ハイテク製品を使う社会が将来にわたり維持できる構造を取る。環境問題やエネルギー問題に関わり、ストアーはサステイナブルなデザインとなっている。この店舗は持続可能性を評価する指標「Leadership in Energy and Environmental Design (LEED)」の最上位レベル(Platinum)に認定された(下の写真左側)。また、製品も回収されたプラスチックを再利用するなど、環境に配慮した設計になっている(下の写真右側)。

出典: Google

ウェアラブル戦略

Googleは開発者会議「Google I/O」でウェアラブル事業を本格的に展開することを表明した。Googleはウェアラブル向け基本ソフト「Wear OS」を開発し、パートナー企業に提供している。これら企業はWear OSを搭載したスマートウォッチなどを出荷している。また、Samsungは独自基本ソフト「Tizen」の開発を中止し、Wear OSを使うことを発表した。GoogleはWear OSを核にウェアラブル事業を展開している。

出典: Google

Fitbit買収が完了

Googleは2019年11月、Fitbitの買収を発表したが、アメリカ司法省による審査が続いていた。Googleは今年1月、この買収が完了しスマートウォッチの事業を開始することを明らかにした。これにより、FitbitのハードウェアとGoogleの基本ソフトWear OSを組み合わせ、ウェアラブル事業を本格的に展開できる環境が整った。Fitbitが収集する身体情報をGoogleのAIで解析し、健康管理のソリューションを開発する。Googleはハードウェアに舵を切り、FitbitをベースにApple Watchに対抗する製品の開発を進めている。(上の写真、Google Storeで販売されているFitbit製品)。